第3章 買い物
買い物を終え、辺りがオレンジ色に染め上げられていく。 そろそろ家に帰ろうかと思った矢先、リヴァイは急にもよおした。
「悪い。ここで少し待っていてくれ」
「はい」
さっと、きびすを返すとリヴァイは店の中へと消えていった。
一人残ったは店の前にポツンと立つと、ショーウィンドウに映る自分の姿を見た。
リヴァイに買ってもらったネックレスが首元でキラキラと輝いている。リヴァイの首にも同じものが輝いている。
はにっこりと、満面の笑みを浮かべた。
ふと、日がかげったような気がしてが振り向くと、自分よりも随分と背の高い男が二人、を見下ろしていた。
「ほー、こりゃスゲエべっぴんさんだ」
「オイねーちゃん、これから俺らと飯でも行かねえか?」
ニヤニヤと笑うその顔は、夕日を背から受け影になっているせいもあるのか、とても醜悪に見えた。
「ごめんなさい、一緒に来ている人がいるんです」
男達のいやらしい視線を感じ、の全身にぞわと鳥肌が立つ。
(リヴァイさんと全然違う)
至極丁寧に断ったに、片方の男がにじり寄る。
「そんなこと言わねぇで、さぁ」
「連れがいるなんて、嘘なんじゃねぇの?」
ささくれだった無骨な手が、の華奢な白い腕をつかもうとした瞬間、感情の無い底冷えのするような声が辺りに響いた。