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*スーツを着た狼*【R18】

第7章 打ち明けられた想い





「お前さ…たまにそうやって自分の事卑下するけど……もっと自分に自信持てば?」

「……、」

「言っとくけど俺…お前に関しては年季が違うから」

「え…?」

「俺はお前が入社した頃からずっと知ってたし…ずっと見てた」

そう言って私の両頬に触れてくる先輩。
私が入社した頃からって…もう3年も前からって事…?


「だからお前が企画部に異動してきた時…死ぬ程嬉しかったんだ」

「…先輩……」


彼の話はこうだった。
初めて私の存在を知ったのは、私が入社してまだ間もない頃…
屋上で泣いていたところを目撃したらしい(恥ずかしくて穴があったら入りたい)。
それからはほとんど毎朝同じ電車に乗っていたと言う。
この間キスをしてきたのも、彼なりのアプローチだったと言うのだが…


「そんなの解る訳ないじゃないですか!」

「…そうか?お前は結構鈍い方だと思うけど」

「………」

先輩にそう言われて無性に悔しく感じるのは何故だろう…


「…で?お前は俺の事どう思ってんの?」

「え…?」

「肝心なお前の気持ち…まだ聞いてない」

「……、それは…」

「まぁ…俺を部屋に入れたって事は……それが"答え"って事だよな」

「…へ?」

「さっきだって俺のキスに応えてたしな」

「っ…」

そう1人納得した先輩は私の体を軽々抱き上げると、勝手知ったる他人の家とばかりに部屋の奥へ進んでいく。
そしてドサリと私をベッドの上に下ろした。


「ちょっ…、先輩!」

「…何」

「いや、何じゃなくて…!」

「俺もう…とっくに我慢の限界超えてるから」

「っ…」

そう言ってジャケットを脱ぎ捨て、首元のネクタイを弛める彼。
その仕草に思わずドキリとすれば、強引に唇を重ねられた。


「んんっ…」

何度も貪るように角度を変えて口付けられた後、熱い舌が入り込んでくる。
歯列をなぞり、上顎を撫で、擦り合わせるように絡んでくる舌。
比喩ではなく、本当に食べ尽くされてしまうんじゃないかと錯覚するくらい激しいキスだった。


「はぁっ…、先輩……待って…」

酸欠で頭がぼぅっとする。
力無くそう呟いてみたが、どこをどう間違って彼のツボを刺激してしまったのか、「その顔、逆効果だから」と一蹴されてしまった。



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