• テキストサイズ

たとえば、キミを愛する倖せ【短・中編集】

第6章 たとえば、君を守る倖せ【BLEACH/日番谷冬獅郎】


「大丈夫ですか?」

「もともと大丈夫だもの」

「骨にヒビ入ってたヤツが何言ってんだ。山田、世話になったな」

 後半は花太郎に掛けた言葉だ。
 気恥ずかしそうにはにかむ彼に、詞織は「ここで会ったのが運の尽きだった」と小さな声で呟く。

「日生」

 それを聞き逃さなかった日番谷が咎めるように名を呼べば、少女は目を合わせずにそっぽを向いた状態で、「ありがとうございました」と小さく礼を口にしたのだった。

* * *

 夜の十番隊舎を、日番谷は歩いていた。
 宿直の隊士と雑務処理をしていた自分以外は残っていないだろう。

 そこへ、微かな言葉が耳に届いた。
 気のせいか、と思うほどに小さな声だったが、耳を澄ませば確かに聞こえる。

 声を辿れば次第にはっきりとした旋律となった。
/ 196ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp