第2章 春、入学、早々に大問題。
「だめ。」
必死で閉めたはずの心の扉。
鍵までつけたはずなのに、リエーフは無理やりこじ開けてくる。
「私たち、きょうだいなんだから。」
閉じようとするけれど
無理やり閉じた隙間から
”欲”が溢れる
「だから」
蹴とばすように脱ぎ捨てたローファー
衝動的に掴んだネクタイ
ぐいと引っ張りながら階段を駆け上がる。
「ちょっ!アンナっ⁈」
驚くリエーフを引きずるように連れてきたのは私の部屋。
最近まで2人部屋だった部屋のドアを開け、部屋に押し込む。
よろけて倒れたリエーフ。
その上にのしかかると私は
片手に掴むネクタイを引き
戸惑う唇に噛み付いた。