第2章 春、入学、早々に大問題。
「それにさ、アンナも俺のこと好きだろ?」
え…
え?
うそ。
なんで?
隠してきた思いをさらりと言い当てられ、隠しきれない動揺。
かっ、と火照る頬。
「違…」
「違わないよね。だってアンナ、嘘つくと目尻がひくひくするんだ。」
リエーフの長い指がとん、と目尻に触れる。
「ずっと…きょうだいだから、好きとは違うって思い聞かせてきた。
でもだめなんだ。
アンナが他のやつから告白されるの見たら黙っていられなかった。」
目尻に触れた指が私の髪をひとふさ掴み、つ、と指を滑らせる。
そして、毛先にそっと唇を落とした。
「俺のものになってよ。」
髪の毛に口付けたまま、リエーフは私の瞳を視線で捉える。
「ね、アンナ。」
するり、とリエーフの指が頬に触れる。
どんどん近づいてくるリエーフ。
私は止めるようにぐいと肩を押した。