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言えない”スキ”の伝え方【HQ】

第2章 春、入学、早々に大問題。





わけがわからなかった。



私はリエーフに怒っていたはずだ。

なぜ、リエーフの顔がこんなに近くにあるの?
なぜ、リエーフの体が私にのしかかっているの?

そして1番聞きたいのは


なぜリエーフの唇が私の唇と触れ合っているかってこと。

「っ!」


キスしてる

そう頭が理解した瞬間、身体中の血液が沸騰したみたいに熱くなった。

何で?

なんで?

そればかりが頭をよぎる。

どんと胸を押すけれどビクともしない。
それどころか腕を掴まれ余計に逃げられなくなってしまう始末。

パニックになった私の頭。
そんな私の唇をリエーフの舌がこじ開けようとした瞬間、とっさに抜けた手がリエーフの頬を叩いた。


ぱんっ


乾いた音が鳴り離れる唇。
離れる身体。

なんだかわからない感情が
ぶわりぶわりと渦巻いて

溢れてしまった気持ちが
つ、と頬を流れた

「な…で……」
「好きだから。」

私が叩いた頬に触りながら、リエーフは体を起こす。

「好きだから、した。」

好き…?
リエーフが私を?

「冗談…でしょ?」

そんなわけないと首を振れば涙の跡をたどるようにリエーフの指が頬をなぞった。

「冗談なんかでできるわけないじゃん。
俺たち、きょうだいなんだから。」
「じゃあ…なんで…」

そう問えば、伏し目がちだった瞳が私を捉えた。

「だって好きなんだよ。
ちっちゃいときからずっと。
好きで好きでしょうがないんだから。

他の子になんか気持ちがいかないくらいアンナが好きなんだ。」

す、と近づく唇に思わず目を瞑れば、リエーフは目尻に溜まる雫をちゅっと吸い取り体を離した。

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