Blutigen Flügeln(進撃の巨人:アルミン夢)
第1章 Blutigen Flügeln
「大きな猫? んだよ、じゃあ大した事ねーじゃんか。デカいっつっても馬みたいにデカい訳ねーしな。せいぜいイノシシぐらいか?」
「イノシシ舐めたら痛い目に遭いますよ!」
「知ってるって、んな事! ただ、何で熊じゃなくてライオンにしたかが分からないって言ってんだ! つーか早く前に進めよ。お前の番だぞ」
「ジャガイモ!」
気づけば列は進み、三人の中で一番前に並んでいたサシャがプレートを貰う番だった。質問の答えは未だに分からないが、目的だったサシャの気を引き止める事には成功したので、シャロンは良しとする。
そのうち自分の夕食も手に入り、空いた席を探しに食堂を歩き回る。同期なので喋りはするが、大して仲良くないコニーとサシャはすでに他の人達とわいわい楽しく食事を進めている。まだ人気の少ないテーブルを見つけて腰を下ろせば、シャロンは食事に手をつけた。固いパンを千切り、ジャガイモや野菜が一口大に入っているスープに染み込ませ、一口食べてはまた一口と単調な作業を続けた。
「『貴方は私の息子を食べる気だ』じゃないかな?」
「え?」