Blutigen Flügeln(進撃の巨人:アルミン夢)
第1章 Blutigen Flügeln
第57回壁外調査が行われ、シャロンは最右翼側の班に配属させられる。エレンをシガンシナ区にある家の地下室へ連れ行く予行演習だったのだが、結果は絶望的。シャロンの属する班はすでに巨人達の餌食となり、一人、二人と亡くなってゆく。シャロン自身もフードを巨人に摘まれ、足、腹、胸、首と、下半身から徐々に巨人に齧られていた。
理性は無論の事、知能など備わっていない巨人が相手では、人間はとても無力で脆い。生きた年数や「生きたい」と想う潜在的な願望など関係なく、「人類」は「巨人」に勝てないのが現実だった。シャロンも例外でなくただの人間で、数秒足らずで彼女は肉の塊として巨人の腹に収まる。摘まれたフードは彼女を食い尽くしたと同時に手放され、ヒラヒラと地面へ舞い落ちた。血塗られた自由の翼だけが、シャロンがこの世にいた事を知らせていた。
伝達で最右翼班壊滅の知らせを聞いたアルミンは、愛おしい人の亡骸を回収する事は許されず、任務遂行の為に足を進める事しか出来なかった。