Blutigen Flügeln(進撃の巨人:アルミン夢)
第1章 Blutigen Flügeln
「何なんだよソレ?」
「確か、どっかの知能指数を試すクイズだったような気がするわ。頭の良さを探るためのテストね」
訓練兵達の待ちに待った夕食が配られる中、コニー・スプリンガー、サシャ・ブラウス、そしてシャロン・ヘーゲルは己のプレートを受け取るために並んでいた。サシャが先に並んでいる人達の間に横入りしないよう、シャロンが振った話題が先ほどの質問なのだが、二人からの反応は思ったよりも悪い。
「でもよ、この質問に答えなんてねーじゃん」
「そうですよ、どんな答えを出しても最後には食べられちゃいますよ!」
コニーとサシャの二人に迫られ、シャロンは苦笑を浮かべるしかなかった。
「そうなのよね。たとえどんな答えを言っても、結局は『ハズレ』って言われて子供がパクリ、なのよね。こんな質問だったような気がするんだけど、私の覚え間違いかしら」
「お前しっかりしてるようで、どっか抜けてるからな。絶対に覚え違いだって。そもそも『ライオン』って何だよ? そんな動物いねーよな? 質問に『猛獣』って言ってるから何となくヤバいのは分かるけどさ。それに動物が喋るわけないだろ」
「私も初耳です! 熊なら山にいるので知ってますけど、ライオンは聞いた事がありません。お肉にしたら美味しいんでしょうか?」
「美味しいかは分からないけれど、たしか『首に立派な鬣を持った大きな猫』だったような気がするわ。八年くらい前に祖父から聞いた話だから、よく覚えていないの」
祖父の膝に座り、話をよく聞いていた頃を懐しく思いながら、シャロンはライオンの説明をする。ウォール・マリアが破壊され、巨人の手によって亡き者になってしまった祖父を想うと未だに涙が溢れそうになるが、空気の読めないコンビは気にせず盛り上がっていた。