【ツキプロ】 ALIVE SOARA中心夢小説まとめ
第7章 一番星を君に(藤村衛)
パチパチパチ。
手のひらを叩く音が聞こえて、向き直る。
彼女が体育座りをしていた。
「そんなところに座らなくてもあっちに椅子あったのに...」
『真剣に作曲してる衛さんを近くで見ていたかったんです。でも邪魔はしたくないし...』
控えめな彼女が可愛くてたまらない。
目をキラキラさせて、今産まれたばかりのメロディーを口ずさむ。
「はは、気に入ってもらえたみたいだね」
『はい、とっても!』
「多分、次の新曲のどこかには使うとおもうよ」
『そうなんですね、じゃあ内緒にしておきます』
本当に物分りが良い。だからこそ、こんなふうに寮の中に入ることが許されているのだけど。音源化される前のメロディを外に出されてしまったら、俺たちの音楽でなくなってしまう。その辺のことは誰よりもわかってくれる彼女だ。
「ありがとう」
『衛さんのこと、応援してますから』
気を抜いて目を細めて笑うその笑顔が一番好きだ、っていつか伝えられるかな。
産まれたてのこの曲が、彼女のことばかり考えてしまう俺の気持ちから生まれたって知ったらどんな反応するんだろう。
いつも輝いてる君が俺の世界で一番大切なものだって思ってるんだ。
まだ恥ずかしくて、言葉では伝えられないけど。
「俺の曲楽しみに待っててね?」
『はい、もちろんです』
一番星より綺麗な君に、俺ができる最高の音楽を捧げよう。