【ツキプロ】 ALIVE SOARA中心夢小説まとめ
第7章 一番星を君に(藤村衛)
パキラの前で座禅を組む。傍から見たらおかしい人なのかもしれない。
少しばかり締切が迫ってきていて、でもなかなかうまくいかなくて。
こうすれば少しはいい音出てこないかな?
もっと素敵なハーモニーが出てこないかな?
って思っての行動なんだ。
...メンバーの皆には変な顔をされるけど。
『衛さん...?』
「えっ、まひるちゃん!?」
突然共有ルームの玄関(というか扉だけど)のほうから声が聞こえた。まぎれもない、大好きで大切な恋人の。
『何してるんですか?』
「ええっとぉー...ははは、ちょっと作曲に行き詰まっちゃってね」
『そうだったんですね。修行僧みたいな格好でパキラを眺めてるから変な宗教にでもハマったのかと...』
しまった。彼女にはいつも細心の注意を払ってるから、たまに変な行動をしてしまうことバレてないんだった。少しばかり血の気が引いていく気がして焦る。どうしよう、衛さんそんな変な人だなんて思わなかったサイテー!別れてやる!なんて言われたら。いやいやまさかまさか、そんなことは流石に...流石にないよね!?
心の中でプチパニックを起こしながらにこにこしている彼女をのぞき込んだ。
「い、いやぁ...うまくいかない時はたまにパキラに祈ったりしてるんだよね...ひ、ひいた?」
我ながら大人気も、男気も無い言葉に呆れてしまう。
なんでこう決まらないんだろうなぁ。ガックリ項垂れていると、彼女が笑い出した。
『ふふふ、衛さん、可愛いですね』
「えっ、可愛い!?」
『はい、とっても』
どうせならカッコイイって言われたいな、と思ったけど、彼女があまりに楽しそうに笑うからまあそれでいいかな、と思う。
『ところで作曲は...?』
「あっそうだった」
時間を忘れていたけれどあまりのんびりしている暇はない。二人でいるとつい彼女のことばかり考えてしまう...あ。
「あ!」
『どうされました!?』
「今いいフレーズが来たんだ...!」
早速ピアノに向き直る。思いついた音の羅列が消えていかないように、でも良くなるように少しずつメロディを奏でていく。
「よしっ、できた!」