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IN DREAM2

第5章 水と火


「それはどうやって・・―――――」

ゼルベウスの問いに、アランは答えようと口を開いた

だが
その瞬間、爆発音が響き渡り、全員が音の方向へみた

「なんだ?!」
「あそこは・・集落だ!
なぜそこから爆発が・・いや、まさかっ・・!」


森の中から湧き上がる黒い煙
その場所は集落

一足遅かったか

ジェイクは半場諦めた表情をするが決して口には出さなかった
目の前に希望を捨てず、必死に立ち向かおうとしるインドリームの姿があったからだ

「皆、少し揺れるぞ!」

ヒルトは魔力を膨大に練り上げ
風の動きを加速させ、一気に集落まで飛ばした





多くの物が焼け焦げ、藁と木で作られた簡素な家は燃え上がり、逃げ惑うリザードマン達
それはどれも小さな子供や力のない女のリザードマンばかりだ

「た、たすけて!」

一匹の小さな子供のリザードマンは水掻き用の膜を広げた手を上げ、叫んでいた
目の前には鎧で身を包んだ人間の兵隊
傷だらけのリザードマンが倒れている目の前で
子供が人間に命乞いをする

「死ね、化け物!」

一切の躊躇がなく握られた剣を振りかざそうと、兵隊は罵倒し、子供のリザードマンは目をつむる


「ゴボァッ・・」

聞きなれない男の異様な声に、つむっていた目を開けると
水の球体が兵士の顔を包み、口から泡をふかせていた

「え・・」

そのまま重い体を支え切れなくなり、水死寸前の気絶状態で倒れる兵士

周囲の兵士も同様に次々と謎の水の球体に包まれ
倒れてく


「ウォータ・スヴェルト」


一人の女性の声にこたえるように、どこからか水が沸き起こり、集落を襲う炎を相殺し、消火していった


鎮火した場所から煙の勢いは止み、青い髪をした女性と一体のリザードマンを先頭に数名の人間たちが続いてかけよる

「生きている者はいるか?!」

ゼルベウスの声に、数体のリザードマンが応えた

「お、おねえちゃんを助けてください!
まだ生きているんです」

先程命乞いをいていた子供のリザードマンは震えながら
声を精一杯発した

「ユリエフさん、頼めるか」
「はい」

倒れているリザードマンと、泣きながら助けを求めた子どもリザードマンの前に駆け寄るゼルベウスとユリエフ
光の治癒で傷をふさぎ、意識が戻る女のリザードマン

「すまんが、傷を負っている者が多い
手当を任せてよいか」
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