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IN DREAM2

第15章 龍族


「勿論だぜ。
因みにサルナスが出会ったのは龍族だったのか?」
「龍族特有の角はあったようだが、使っていたのは姿を消す風族特有の能力と、話していた精神世界へ入る術らしい。」
「なんだそりゃ?
龍族と風族の混血ってことか?」
「普通に考えればその説が有力だが、まだ決めつけるには情報が足りない。
そもそも、その術者はサルナスとの戦いで自滅したらしいしな」
「ちょっと待てよ、サルナスが戦ったのは何百年も前の話だろ?!
その時に消えたのならヒルトが言う恩人なら、時系列的に噛み合わない」
「だから情報が足りないと言っているだろ。」
呆れた表情で話を終わらせるクライヴ
一方ライセイは少し考え込み、クライヴが探ろうとしている意図に気づく
「もしかしてヒルトが使う力の代償を探ろうとしてるのか?」
「あぁ。
相手の精神に入り込む力だぞ?
代償が無いわけない。
表立って見えず、ヒルト本人も気づいてない可能性があるからな・・
手に負えなくなる前に対抗策は見つけておくべきだ。
それに・・」
「それに?」
「ヒルトの力に闇の神やアルトリア達が目をつけてる可能性もある。
こんな便利な力を奴らが放っておくわけないからな」
「それもそうだな」

会話に区切りがついた時、ライセイは進行方向の空に異変を感じる
黒い雲が何かを隠すように浮かび、近づけば近づく程
雷が鳴り響いている。
明らかに結界が弱まっているとわかる光景に
ライセイは緊張のあまり唾を飲み込み、甲板が降り、操縦しているユリエフと近くで荷物整理をしていたヒルトに聞こえるように大声で話す
「目的地はすぐそこだが、このまま突っ込めば間違いなく嵐の中飛ぶ事になる!
ヒルト、風の防護壁を船全体に出来るか?」
「任せてくれ!」
頼り甲斐がある威勢のいい返事が直ぐに返すヒルト
「ユリエフは俺が指定する位置まで船を誘導してくれ。
落雷はできる限り俺の力で誘導して防ぐ」
「わかりました。
ですが、船に私が結界を覆えば落雷も雨風の心配もないのでは?」
「ここからは結界を使う余裕がない程大変なんだよ」
「そ、そうですか」
額に汗を流し、ライセイはこれから待ち受ける状況に心臓音が大きくなっていく
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