第5章 水と火
「た、助けてくれ!
悪かった、だから命だけはとらないでくれ!」
服と髪は乱れ、必死に命乞いをしている男は後ろから歩いてくる少年にむかって話していた
茶髪に青い瞳をし、赤い半袖
深緑のマントに
両手と両足にはガンドレットをみつけている
「だから、あんたを捕まえてくることが今回の依頼だったんだ
命うばうようなことはしないから」
あきれた表情で話す少年の後ろには金髪の少年と、肌褐色の少女もついて歩いてきた
「ハハハ!
ヒルトが力加減できてないせいで、怖がられてるじゃなか」
「もー、最初に雷で失神させちゃったライセイがいえることー?」
「イリヤ、ライセイ、俺たち対人用の能力じゃない上に力の使い方がまだまだなんだよ
とりあえず、報告だな」
尻込みする男の襟をつかみ、引きづったのは体格差があるイリヤだった
「・・・」
呆気にとられるジェイクとアランは何も言葉が出せなかった
引きづられてきた男は町の裏商売の中心物であり冒険組合で指名手配されていた人物であった
素性や居場所が一切つかめないことから、報酬金は莫大に募る一方で応募者がいなかった
そして領主の誕生日までに検挙しなければならないというタイムリミットもあったことから
応募する者がいない原因だった
男の腕は縛られている様子はないが、手足がしびれているように動かすことができない
ライセイの能力で体の神経が麻痺していた
「ご苦労様です、インドリームの皆様。
これは報酬金になります」
受付の前に経つヒルト、ライセイ、イリヤは渡された金貨の革袋を受け取り、依頼書と名簿にサインをして3階へ上がっていた
「あ、あいつらインドリーム?!」
「そう隣で大声で驚くなよアラン・・
お前の声が止めで心臓が止まりそうだ」
「あいつら、いつからこの町に?」
「1週間ほどまえですね
アランさんとジェイクさん達より早くに来られ、冒険組合に登録され多くの重要案件に対応されています」
受付の女性はほほえましく話した
「あのインドリームに話がしたいわ。
部屋は何号室?」
「申し訳ありません、彼らは一介の旅人ではありませんからお教えすることができかねます」
アランに頭をさげ、受付の女性は謝罪した
「そう・・・わかったわ。
それじゃあ、あの依頼を次は済ませたいから、申込用紙をちょうだい」
「かしこまりました」
![](/image/skin/separater53.gif)