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IN DREAM2

第15章 龍族


「すぅー」
息を大きく吸い、吐き出してライセイは深呼吸した後
右手を真上に上げ、魔力を放出する
「雷よ!
我が声に応え、この名と龍の威厳守り
道切り開け!」
直後、飛行船の上空から落雷が幾つも落ちるが
全てライセイの手先の上に集められ、雷の球体へ変わる
「ヒルト!
今から船が揺れるぞ!」
ライセイの掛け声にヒルトはすぐに応じ、風の力を飛行船に覆わせる

吹き荒れる暴風が飛行線を襲うが、全く微動たりともせず
まっすぐ進んでいく
「流石、ヒルトだぜ」
ライセイは司会の傍で風の力をコントロールする姿を見て
安心と信頼を改めて寄せる
「ユリエフは今から飛行線を50度、急降下させてくれ!」
「きゅっ急降下ですか?!
そんな事をしてはすぐに元の体勢に戻せませんよ!?」
「大丈夫だ!
俺を信じてくれ!」
「っ・・・わかりました!
皆さん、しっかり捕まってて下さいよ!」
ユリエフは船首部分を50度下に傾け、その場から急降下していく
「うわっ!」
柱に捕まっていたヒルトはバランスを崩し、倒れそうになるが
すぐにクライヴが腕を掴み、支える
「支えてやるから、お前は力を使うことに集中しろ!」
「クライヴ、ありがとう!」
ヒルトはクライヴに右腕を掴まれたままだが
左手だけで風をコントロールし、飛行船が浴びる空気抵抗を制御していく

「みんな、結界を通過するぞ!」
ライセイが声を荒げるように話した直後
眩い閃光が視界を覆い、飛行船が巨大な壁にぶつかるような衝撃が走る
だが、その衝撃は瞬く間に消え、吹き荒れる風も雷も嘘だったように静寂になる
傾いていた船は平行に戻り、その場で止まる
「と、通ったのか?」
ヒルトはクライヴに支えられながら立ち上がり、ライセイへ目線を向ける
だがライセイは黙ったままこちらに目を向けなかった
「ライセイ、大丈夫か?!」
声をかけても反応がない
心配になったヒルトは甲板に駆け上がり、ライセイの肩に手を置いてもう一度声をかける
「ライセイ、大丈夫なのか?」
「・・・俺は大丈夫だよ、ヒルト」
「よかった、ならここはーーー」
「そう、封印されてた龍族の地で、俺の故郷だ。
けど見てくれよ、この有様」
ライセイが指を刺す方へ目を向けると、異様な光景が広がっていた
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