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IN DREAM2

第14章 土族


天族がそんな事するはずがない。
そう、言い返したかったが、ユリエフはできなかった
憎しみや怒りといった負の感情を持っていないのは、聖人だからであり、他の天族はそうではない。
人と同じようにそれぞれ思惑があるし、闇族を憎む気持ちは一番ある。
特に暗黒戦争でクライヴの暴走によって犠牲になった遺族は
何が何でも貶めようとするだろう
「もし、天族がクライヴ君を貶めようとした時は
私が止めます。
仲間として、同じ天族として見過ごせません」
「俺達も黙ってないからな!
何でも頼ってくれよ、クライヴ」
「ユリエフ、ヒルト、ありがとう。」

話が落ち着いた時、ノック音が響き、アンリとローランが入ってくる

「そろそろ旅立つ頃合いかな?」
「ローランさん!
もう歩いて大丈夫なのか?」
「数日前から通常診療を始めてる程、もう元気だよ。
僕がこうやって元気にいれたのも、君達のおかげだ。
ささやかなお礼だが、受け取ってくれ」
ローランが話し終えると、横で待っていたアンリがヒルト、ユリエフ、クライヴ、ライセイ、アラン、イリヤ、ジェイクの順に小包を渡していく
「その小包にはそれぞれの体に適した治療薬と魔力増強剤が入っている。
どの薬も副作用はほとんどないから安心してくれ」
「俺達は当然の事をしたまでだから、本当はこれを受け取ることに抵抗感じるけど
渡す側の気持ちを考えると、受け取るべきなんだよな・・・
ありがとう、ローランさん」
「俺にもくれるなんて、正直思ってなかった」
感謝を伝えるヒルトと、ローランからの礼品に戸惑うジェイク
ローランは終始微笑んで話す
「経緯はどうあれ、ジェイク君が正しい道を選んだ事で
僕の肩の荷は降りた。
それだけでも十分じゃないか?」
「・・本当に、ありがとう・・ございます」
深く頭を下げ、ジェイクはローランからの礼品を抱きしめるように持つ
「彼が君に託した想い、夢、力、全てを未来にも繋げてくれ。
それが僕が君に託す夢だ」
「っ・・!
はいっ!」
「いい返事だ」
ローランは終始俯くジェイクの肩を寄せ、力強く抱擁した
「!」
力強く抱きしめ、背中を2回軽く叩き終えると
抱擁を止め、次にクライヴへ視線を向ける
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