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IN DREAM2

第14章 土族


「トレイタスと因縁があるとは思っていましたが
まさかお兄様だったのですね」
ライセイの正体を聞き、目を丸くしたのはアランとユリエフだけだった
クライヴはアルヴィートから事前に聞いていたのと
ジェイクは火族の任務についていた頃から
ライセイの事は知っていた
「最初に俺の正体について話したのはイリヤだったから
イリヤは驚かないのはわかるけど
ヒルトが冷静なのは意外だな」
「俺もアランと同じかな。
龍族なのかもとは思ってたけど、王族とまでは想像できなかったから
少しは驚いてるよ・・・
まぁ、ジェイクの時ほどではないかな」
苦笑いで話すヒルトに
ジェイクも苦笑いで流す
「龍族ならその姿も人間種に似せて変えてるってことだよな?」
「まぁそうなんだけど、ほんの少ししか変えれないんだ。
俺は龍族としての魔力も、王族としての権限もトレイタスに奪われたから。
この傷はその時に付いたものなんだ・・」
ライセイは全身から魔力を放出し、人化の術を解く
頬から首筋には薄く龍の鱗が浮き、爪は少し伸びて尖り、
頭からは折れた角が生える
「これは今の俺のありのままの姿だ。
本当は尻尾もあるし、角は長いし、身長ももっとある。
けど、それは龍族の王族として生まれた時、この腕に刺青と一緒に刻まれる魔力があったからだ。
それがない今の俺じゃ、一生中途半端のままだから
俺は奪われた全てを取り戻す方法がないか
龍族の遺跡に行って調べたいんだ!」
ライセイは頭を下げ、声量をあげて話す
「頼む!
自分勝手なのはわかってる!
けど、俺はどうしてもインドリームとしての行いより
奪われたものを先に取り返したい!
だから、力を貸してくれ!」
「ライセイ・・」
「世界を救うために存在してるインドリームが
自分を優先するなんて、失格だと思われるのも承知してる。
霊光石を手に入れるには、インドリームとして覚悟を示す必要があるし、それには俺自身が向き合わなくちゃいけない・・
今の俺じゃ、そんな大層なことも出来ない・・・。」
段々と声量が無くなり、握る拳は震えている
ライセイが自分自身と向き合う事にどれだけ体力と気力を使うのか、仲間には十分伝わった
「俺は遺跡調査賛成だぜ」
「イリヤも同じかな」
「あたしも、いいと思うわ」
「私も問題ないと思います」
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