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IN DREAM2

第14章 土族


「証拠あんのかよ。
俺の一族がそんな事してたっていう証拠は!」
「アルヴィートが見せてきた書類と、聖天墜しについて他にも証人がいる。
そうだろ?
ジェイク」
クライヴはアルヴィートから渡された巻物をライセイに渡し、ジェイクへ視線を移す
「・・・そうだな。
聖天墜しは事実だ。
昔、任務でアドラが探っていたし俺も関わったことがある。
そしてその事実を天族に報告していたのも俺達火族だ」
「なっ?!」
ライセイは目を通していた書類を止め、ジェイクを疑う目で見た
「ジェイクはトレイタスの正体をずっと知ってて
黙ってたのかよ!?」
「そうじゃない!
龍族が聖天墜しをしていた事実までしか突き止められなかったし、任務をそこまでだった。
だからトレイタスの事は初耳だったんだよ」
気まずい空気が流れ、沈黙が続く
「クライヴ、話を続けてくれ」
冷静に切り出したのはヒルトだった
「アルヴィートは龍族を調べるように言ってきたのか?」
「そうだな。
龍族は封印されているから、こちらの世界に直接干渉はして来れないが
この聖天墜しがどこまで作用するのかわからない。
天族にとってみれば恐怖でしかないのだろう」
「だったら龍族の遺跡に行って調べて見よう。
ちょうどライセイも行こうと言ってくれてたしな」
ヒルトはライセイを見つめて話を振るが
渡された巻物をくしゃくしゃになるほど両手に力が入り、震えた状態で歯を食い締める
「そうだな。」
ライセイ自身、どうしようもないほどの怒りが滲み出てきて
今にも感情が爆発しそうだった
誇りに思っていた一族の蛮行と、失望。
そしてトレイタスが今の自分ではどうしようもない高みの存在だと再認識させられた絶望。
龍族の事をこれ以上調べれば調べる程、失望しかないのではないかという恐怖。
「本当はヒルトにしか話したくなかったけど
この際皆んなに打ち明ける。」
ライセイは右手に巻いていた包帯を取り、手首から肘にかけて刻まれた傷口を見せる
そこには龍族の王族にしか持たない龍の刺青があったのだろうが
今は皮膚が爛れ、細胞が壊死して紫色に変色していた
「俺は龍族の第二王子、ライセイ・ラゾーラ。
トレイタスの弟であり、暗黒戦争時、封印を逃れた2人目の龍族だ」
「龍族だとは気づいていたけど、まさか王子様だったなんて
正直驚いたわ」
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