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IN DREAM2

第14章 土族


一方、土族で報告書を書き終えたヒルト達は
上層部と土族全体に挨拶をして周り、この地を離れるところだった

「この度は、本当に助かった」
「インドリームが世界を救うと言われているのが
心底理解できた」

巨人達は両膝をつき、頭を下げてヒルト達に感謝の意を示していた
「これからはどちらまで行かれるのですか?」
別の巨人がヒルトに視線を向けて話すと
ヒルトより先にライセイが声を上げた
「龍族について探るために、遺跡を巡る予定だ」

「龍族か・・・
彼等は謎が多い種族だ。
最近は移籍調査に行った人間が
謎の失踪を遂げているらしい。
遺跡とはいえ、罠があるかもしれないな」
「それでも、俺は向き合わなくちゃいけないんだ。
俺の過去と、俺の一族に。」
「そうか。
君は龍族の・・・」
巨人は敢えて口を紡ぎ、ライセイの正体に気づいても何も言おうとはしなかった

「インドリーム諸君。
君達に光の加護があらんことを願う。
そして、この世界を救ってくれ。」
「勿論です。
任せてください」
「あぁ!
必ず救って見せます」
ユリエフとヒルトは率先して答え、続けてアラン、イリヤ、ジェイク、ライセイも頷く

そして土族に見送られる中、アルヴィートが残した転移門を潜り、クライヴが待つ街へ戻って行った


景色は変わり、ローランの診療所の2階、宿として使える部屋に辿り着き、ちょうどクライヴが階段から上がってきた

「戻ったのか」
「クライヴ!
待たせて悪かった」
「気にするな。
色々あってちょうど用事が終わったところだ」
「色々って、なんだよ?」
ライセイの問いに、クライヴは少し黙ってから答える
「少し前にアルヴィートがここにいてな・・
龍族が行っていた禁忌と、それによって生まれた者の話をしてきた。
ライセイ、単刀直入に聞くがトレイタス・ラゾーラの事をどこまで知っている?」
「!」
トレイタスの名を聞くや否や、ライセイの目つきが鋭くなる
「聖天墜しと言われる禁術は、天族の魂を無理矢理地上に落とし、
その魔力、能力、生命力は龍族の母体に植え付けることで
都合の良い能力だけを備えた人工龍族が誕生させれるもの。
そうやって生まれたのがトレイタス・ラゾーラだ。」
「あいつが人工龍族?
ははっ、冗談言うなよクライヴ!
そんな事、聞いた事ないぞ?!」
「その反応から察するに、何も知らなかったんだな」
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