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IN DREAM2

第14章 土族


「火族が闇族と連絡する時に使っていた作り物の文字で、実在した言語ではない。
昔から火族は闇族と交流があったからな。
この薬や、古文書も取引の一つとして扱われていたため
簡単に他の物の手に渡らないよう工夫して作ってある」
「どうりで解読できないわけね。
その神経麻痺の毒自体、龍族が使っていた物とも書いてあったの?」
「カモフラージュのために敢えて明記はされていないが
この薬は昔、使ったことがあるし俺自身も調合した事があるからよく分かっている」
「200年も前の薬を調合?
貴方、どういう経歴で?」
アンリは疑心の眼差しでクライヴに問いかける
対してクライヴは至って冷静に薬の調合を進め、その手を止めなかった
「ローランは俺の正体を知っていたようだったが・・なるほど、敢えてこうなる事も分かった上で頼んできたのか」
「?」
「闇の神の息子、闇族の王子だった
クライヴ・ベネディクトだ。」
アンリは一瞬、目を見開くがすぐに冷静さを取り戻す
「てっきり、同じ名前の人だと思ってたわ。
だってその人物は暗黒戦争で封印したはずよ。
天族が世界にそう報道した。」
「・・・そうだな。
俺も記憶があまり無いせいで、どうして生きているのか分かっていない。
今わかっているのは、俺は紛れもない闇の神が創り出した化け物であり、瀕死の重傷をあっていたところを
ヒルトに救われた、ということだ。
あと、天族は俺を見ても驚いた表情を見せなかったところから察するに、その報道は真実では無いな」
「・・・」
「俺が教えれるのはこういった過去の薬等、覚えてる限りの古い知識だ。
人として良く生きるための方法なんて、正直分からない。
ローランは俺にアンリの手本となるよう求めていたが
応えられる気はしない」
「手本じゃなくてもいい。
大丈夫、先生の意図はアタイが一番理解してる。」
アンリはローランから言われていた〝他の人を頼る〟という言葉を思い出し、本棚から埃が被った分厚い本を何冊も取り出し
机に置いていく
「その薬が終わったら
他にも教えて欲しいことがあるの!」
クライヴはあまり嫌がるそぶりは見せず、首を縦に振って承諾の意志を伝えた。
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