• テキストサイズ

IN DREAM2

第14章 土族


「そうしたいけど、それよりも先生を安心させてあげたい。
アタイが普通の女の子になれるように
あの人は何度も助けてくれたの。
次はアタイが恩返しする番なのよ」
「普通の女の子、か。
ならこういう荷物を1人で待つのは控えることをお勧めする」
「えっ!?
そうでないと薬の運搬や日用品の買い出しが
効率良くないわ」
「普通の女の子は道具を使う。」
クライヴは目線を別の場所に向け
模範となる女の子を見る
その子はどこにでもいる街娘であり、
買い出しで沢山荷物を入れるために馬車を使っていた
「先生からも馬車くらい買ってもいいって言われたわ。
けど、そこにお金を使うくらいなら
薬草集めて新薬開発のために
お金を回すべきだと思ってまだ買えてない。
先生は本当にすごい医者なのよ。
この街だけじゃなくてもっと世界中で名を広めるべき人なの。」
「・・ローランもそう思っているのか?」
「わからない。
昔、同じ事を先生に言ってもはぐらかされたから
アタイが言うと圧力になると思って
もうこの話はしてないの」
「俺が思うに、圧力というより自分の寿命が残り短い事を知っていたから
敢えてその道は選ばなかったのでは?」
「!」
「延命された今であれば
また違う答えが返ってくるだろ。
普通の女の子は思った事や悩んだ事を
感情に任せて言う事が多い。
ローランがどこまで望んでいるか知らないが
偶にははっきりと思っている事を伝えてみればいい。」
「そう・・よね」
クライヴとアンリは会話しながはローランの病院の前まで戻ってきていた
玄関には〝本日の診療、終了〟と書かれた看板が建てられている
「話すにはちょうどいいタイミングだな」
「えっ!
ちょっと」
クライヴは躊躇なく病室に入り、カルテの整理をしていたローランのが玄関に向かう
「おぉ、クライヴ君!
戻ってたんだね
それにアンリの荷物を持ってくれてありがとう。
ヒルト君達は?」
「土族の問題は解決させ、霊光石も手に入れたが
敵と戦った時の記録を上層部に提出しろと言われ
大量の書類でも書かされてるはずだ。
俺は元々上層部に気に入られてないから
先に帰ってこれた」
「ははは、それは不幸中の幸いだったね」
/ 820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp