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IN DREAM2

第14章 土族


アルヴィートはゲートに入る前に立ち止まり、クライヴへ振り返る
「僕が天界へ帰ってもインドリームがここに戻るためのゲートは開けてあるから心配しないでね。
あと、さっきの誓約の件だけど、近々守ってもらうから
よろしくね〜」
満面の笑みを残して姿を消したアルヴィートを見送り、
クライヴは少しため息をつく
出された紅茶には一切手をつけず、部屋を出て街中を歩きながら
心の中でサルナスを呼ぶ
(サルナス、聞こえるか)
(はい。
クライヴ様)
(堕天使から取り上げた闇の中で、過去の記憶を見た。
どこか古い城の大広間で、シャルゼとアルトリアが会話し、赤い玉を飲み込んでいたのだが・・心当たりはあるか?
恐らく俺が暴走する以前の記憶だ)
(申し訳ございません。
昔から闇の神とクライヴ様が謁見する際、我々闇の騎士は部屋の外で待機していなければならず、いつもどのような会話をされているか知り得ませんでした。)
(そうか・・・。
ならお前達闇の騎士はアルトリア達と接触した事はないのか?)
(ございません。
ただ、先ほど仰った赤い玉に関しては心当たりがございます。)
(本当か?)
(はい。
純粋な闇だけを抜き取って具現化し、肉体へ埋め込む事で
肉体と魂を強化する実験を貴方様が受けておりました。)
(!)
(最初は拒絶反応を起こされておりましたが
次第に馴染まれ、最終的には強力な力と精神力を身につけられました)
サルナスの話にクライヴはまた考え込む
(赤い玉は何度も取り入れるものなのか?
それとも、記憶で見たものと
サルナスが話したものは見た目が同じで
中身は別物なのか?
アルヴィートの話だとアルトリアは闇の神と契約をしたと言っていた。
俺が受けた実験と違うようだが・・・)

「クライヴさん」
現実世界で呼び止められ、クライヴはサルナスとの会話を打ち切って声がした方へ視線を向ける
そこには薬草を入れた大きな籠を頭の上に乗せ、
両手には食材を詰めた鞄を持ったアンリがいた
「戻ってたのね」
「俺だけ先にな。
その荷物、いくらか持つぞ」
クライヴはアンリの両手から鞄を取る
「アタイ1人で持てるからいいのに・・あ、いや、ここはありがとうございますって言うべきよね。
ごめんなさい、まだまだ普通の会話が慣れなくて・・」
「無理して慣れる必要はないだろ。
気にせず好きに話せばいい」
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