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IN DREAM2

第14章 土族


「そうだね。
君を殺そうと考えた多くの種族が近づいただけで瞬殺されたり、天族でさえ闇に汚染されて堕天した。
けど、術をかけるのは近づくだけじゃないからね」
「・・・」
「ここから本題だ。
僕はユリエフ様を覚醒させるために手段を選ばないつもりだ。
それには君がもっと記憶を取り戻す必要がある。
そこでどうだろう?
近々君を拘束しようと天族が襲ってくる。
その時、抵抗せず捕まってほしい。」
「は?」
あまりにも軽く話す事ではないのに、軽く話すアルヴィートにクライヴは眉間に皺をよせる
「捕まれば君を抹殺しようと目論む奴らに痛い目を合わせられるし、僕も助けに行けない場所で幽閉されるだろう。
けど、そうしてくれると君は必ず記憶を取り戻せるし
ユリエフちゃんも覚醒に至る。
どちらも得がある話さ」

「ふざけるな」
「!」

クライヴの意志とは反し、闇に包まれたサルナスが憎悪に包まれた状態で大剣を握りしめて現れる
「我らの主を道具のように扱うことだけは断じて容認できない!」
「サルナス、やめろ」
「ですが、クライヴ様!」
「クライヴ君の言う通り、止めるべきだ。
君は気づいていないだろうが、彼はわかっているんだろ?
こちらには君以上に強い騎士がすぐそこに居ることを。」
「?!」

サルナスが背後を振り向くと気配が一切感じ取れない状態で天族の騎士が剣を構え、その剣先はサルナスの首元のすぐそこに来ていた
「サルナス、俺の指示なしに勝手に出てくるな。
それにこれは俺が決めることだ。
お前は口出すことじゃない」
「っ・・・申し訳ございません」
サルナスは力を解除し、クライヴの中へ戻っていく
それと同時に天族側の騎士も姿を消し、しばらく無の空気が流れる

「ふー、君はいつも大変だね。
闇の騎士の制御、お父さんからの圧力、敵対勢力から常に狙われる危険性・・あげていけばキリがない」
「加えて俺を利用する得体の知れない存在もいる。」
「得体の知れないとは失礼な」
クスッと笑うアルヴィートはクライヴの目の前に小さな水晶玉を置く。
光り輝くそれは一見神聖に見え、闇族のクライヴは本能で触れると危険と思うのだが、何故かそれには危険性が感じられなかった。
むしろ惹かれるほどだ。
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