• テキストサイズ

IN DREAM2

第14章 土族


「?!」
フェアリスが驚いたのは二つある
一つは能力が強制解除され
失った弾丸から水晶が生えていたこと。
もう一つは、それがイリヤのインドリームの力によるものであり
自分と同じ世界が見え始めているからだ
(僕でもそれなりに修行して会得した力なのに
どうして覚醒しただけのあいつにも?)
思考をめぐらしていると、思い当たる節があった
覚醒前にイリヤは自身の魔力を地脈の浄化に使用した
それから霊光石によって肉体を再構築され、覚醒。
よって、大地に流れる地脈、いわゆる魔力活動の回路と繋がった状態で覚醒したことになる。
そして弾丸から生えた水晶は岩石の中に含まれた鉱物だけを操り水銀に刻まれたフェアリスの魔力回路を上書きしたため。
「あーあ、めんどくさ。
もういいや」
イリヤと戦うことにやる気をなくしたフェアリスは
全ての力を解放し、天空に大量の針を出現させる

「なんて数なの?!」
イリヤは大地を変形させ、下にある施設を全て覆い被さろうとするが間に合わない
そして騒動を聞きつけた司令官や土族達が外に出て
上空で戦うイリヤとフェアリスを見て声を荒げる
誰も、また族長が敵だとは思っていなかったのだ

「皆んな!
ここは危険!
屋内に入って!」
はるか上空にいるイリヤの声は地上に届かず
皆が動かず空を見上げているまま、大量の針が降り注がれる
身長が高い巨人の司令官は針の存在に気づき、目を見開く
防ぎようのない致死量だと判断し、為すすべないと絶望した時
暴風と炎が空を覆い、フェアリスを針を燃やし、塵に変える

「この風と炎・・あいつらか!」
フェアリスはイリヤの後方から飛んでくるヒルトとジェイクの姿をとらえる
「風よ!
全てをなぎ払え!
対魔風祓い<エンティディー・ウィドゥ・エクソタス>!」
「炎よ!
舞い踊れ!
炎獄舞<フレィムヘルム・ディウス>!」

ヒルトの風にジェイクの炎が乗り、酸素を満遍なく炎に巡らせ
通常の出力の3倍に広がり、フェアリスの針を1本残らず消し去る

「ちっ!」
フェアリは新たに針を生成しようとした時
遙か上空で一瞬人影が見えた
振り向くと日光と姿を重ねながら雷を纏った槍を握りしめ、こちらに投げてくるライセイがいた
「雷よ!
暗い尽くせ!
三龍走雷<ツゥリードラゴンズ・ラントニング>!」
/ 820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp