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IN DREAM2

第14章 土族


フェアリスの針に込められた魔力は
ライセイとジェイクの炎で削られ、一定以上の力を持って出さずにいた
イリヤの肉体が消滅して1時間経過し
持久戦に持ち込んだライセイ、ジェイクには負荷がかかり
特に霊光石を手に入れていないライセイは
大量の汗を流している
「はぁ、はぁ、はぁ」

呼吸が乱れ始めた時、フェアリスの針が一つ、消滅する
「?!」
針が消えた時、ライセイの目の前に過去の記憶が広がる
燃えた城の中、血を流して倒れている家族
そして、全身返り血を浴びて立っている実の兄の姿
「なん・・で・・この景色が今・・?!」
「僕の呪術は対象の記憶にも干渉できる」
「っ!」
フェアリスの声が真後ろから聞こえ、振り向くがそこには喉が切り裂かれ、皮膚も爛れた母親がライセイにしがみつき、唸っている
ゾッとする恐怖がライセイを襲うのと同時に、現実世界では意識を失い、朦朧としている

「ライセイ?!
しっかりしろ!」
ジェイクは肩を掴み、何度も揺するが反応が返ってこない
その隙を見られ、ジェイクの真上には大量の剣が浮き上がり
真っ直ぐ降りかかる
「ジェイク、下がれ!」
クライヴは闇の風で剣の軌道を変え、そのまま自身の中に封じている闇の獣を召喚し、全ての剣を噛み砕かせる
「わりぃな」
「謝るな。
それより、ライセイは・・・」

「あっははは!
彼は僕の呪いで意識を封じた。
もう、カウントダウンは止められないね」
高らかに笑いながら話すフェアリス
ジェイクは焦りを感じながら
少しでも針を消滅させないように力を込め、
残りの針を燃やそうとする
「君一人じゃ、これは止められない!
さぁ、まずは龍族のインドリームから殺してやる!」
フェアリスが更に針を使おうとした途端
全て粉砕され、ライセイの意識も同時に戻る
「うっ」
「ライセイ!
戻ったか?!」
ジェイクはライセイを抱え、目の前に立つ仲間の姿を見てホッとした

風の加護を受けて空中に浮いていたのは
光輝く力を宿したイリヤと
自信に満ちた表情のヒルトだった

「ジェイク、ライセイ、クライヴ
時間を稼いでくれてありがとう。
後はイリヤとヒルトに任せて」

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