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IN DREAM2

第14章 土族


「姉さんは傀儡技術を適用しているうえに
地脈の汚染も浄化していた。
元の肉体が無事であれば、何とかなる!」
「たしか、イリヤの元の肉体はさっき霊光石がいた場所だったよな?!」

「その通りだ。」
「!?」

ヒルトとカイが振り向く方には
ジェイクの肩を借りながら歩く霊光石と
側にはクライヴもいた
「ジェイク、クライヴ!
それに霊光石がここにいるってことはーーー」
「あぁ、ゴーレムとの切り離しは成功。
霊光石はイリヤと向き合ってくれるらしいぜ」
「この場に居なくとも
何があったか私にはわかる。
イリヤ・マルクを復活させるつもりか」
「頼む!
姉さんを助けてくれ!」

カイは霊光石にしがみつくように腕を握り、懇願する
「・・君は、姉を本気で助けたいと思っているようだね」
「当たり前だ!
自らの命を顧みず、姉さんは土族を二度も救った!」
「二度?
一度目の行いに、君自身は納得していなかったのでは?」
「昔は、ね。
だが、今は違う!
僕は姉さんを誤った見方で見ていた・・自らの命を救うために、逃げるために、傀儡技術を適用したのだと。
インドリームとして旅に出たのも、責任から逃れるためじゃないかって思ってた。
実際はそんな事なかった・・」
「・・・・。
先程、フェアリスが地脈を汚染して
土族を一斉に魔族化しようと試みた。
だが、イリヤ・マルクが全ての力を注ぎ、地脈を浄化し、守ったお陰で完全な魔族化になる前に人々は救われた。
よって、今の土族全員がイリヤ・マルクに感謝しているようだ。
民衆の意思を具現化させた〝私〟という意志は
敏感に感じ取ってしまう・・まったく、困ったものだな」
霊光石は粉々になったイリヤの肉体に手を添え、深呼吸する
「君の力が必要だ、ヒルト・クローズ。
手を、こちらに。」
「は、はい」
霊光石は目を瞑り、ヒルトの脈を測るように右手を添え
左手はイリヤだった粉に触れる
「肉体だったコレに、イリヤの魔力が残っている。
次期に消えるが、完全に消えてしまえば肉体の再構築は不可能になる。
その前に私は彼女の中に溶け込み、復活させてみせよう」
「傀儡技術の肉体を作り直すってことか?!」
「その通り。
それにはイリヤ・マルクの核の中まで入らなければならないので、ヒルト・クローズ、君の風の力で私を連れて行ってほしい。
出来るな?」
「任せてくれ!
必ず、イリヤの元に届ける!」
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