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IN DREAM2

第14章 土族


最後にイリヤは涙を流し、その体はフェアリスが飛ばす針によって完全に消えてなくなる
「っ!」

「はい、終了終了!
僕は用事済んだし、もう帰るね」

天空に浮かんだフェアリスは両手を伸ばしてストレッチしながらあくびをする
呪術で時空を開け、その場から去ろうとした瞬間、落雷が発生し、時空の入り口は強制に封鎖される
「ちっ」
目を真っ黒にしたフェアリスは舌打ちをして振り向く
そこには背中からドラゴンの翼を生やし、フェアリスと同じ目線で浮いているライセイがいた
「僕の能力知った上で戦うつもり?」
「あぁ。
イリヤの意志は俺が引き継ぐ・・
てめぇをこのまま野放しにするかよ」

怒りに満ちた表情で睨むライセイに、クスッと鼻で笑うフェアリス
「何が、おかしい!」
「いーや、君って何も学ばないよねぇ
そうやって感情に任せて戦うから
おにぃちゃんに一族潰されるんだよ」
ライセイは過去の悲惨な光景を思い出す
炎と血に包まれ、虐殺された一族
その犯人は一番信頼していた兄。
「トレイタスもこんな出来損ないの弟に付きまとわれて可哀想だよねー」
「うるせぇ」
「そんなに興奮しなくてもいいじゃないか。
僕も復讐をしたくてここにいるんだから
君の気持はよぉーく、わかるよ。
そうだ!
仮に君がトレイタスを倒せた時のために、経験者からのアドバイスをあげるね!」

フェアリスは突如姿を消し、ライセイの背後に立って耳元に近づき、囁く
「最後のとどめをさすときは、鼻で笑ながら唾を吐きかけたらいいよ。
僕がイリヤ・マルクにしたように、ね?」
「っ!!
お前・・・よくもっ!!」
ライセイの激昂と共に、巨大な落雷がいくつもフェアリスを襲う
「あっはははは!
たぁーのしぃー!」
爆速で飛び交うフェアリスに、ライセイは素手に雷を溜め
落雷と同時に超電磁砲を放つ
逃げ道など何処にもないはずなのに、フェアリスは無傷のまま避ける
その背後にはいつの間にか針が浮かび、すでに4本消費されている

「ライセイ!
お前までやられるぞ!」

ヒルトが叫ぶも、ライセイの耳には入らない
「くそっ・・!」

「姉さんは、完全に死んではいない」
「!
カイさん!」
「僕を見てくれ。
姉さんが残した器が消えずに動かせる。
つまり、消滅したのは傀儡技術で繋いでいた肉体のみだ」
「じゃあ、イリヤの魂は・・・!」
「あぁ、まだ現世にある」
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