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IN DREAM2

第14章 土族


イリヤの話は途中で止まり、フェアリスは視界がグルンと回転する
それは自信の足元が沼地のように沈んでいき、背後に沈む針もインドリームの力で泥で覆われ呪術は使用できない状況になったことい気づく
「あなたの針を使い切る前に、封印する。」
イリヤは魔力消費に体に負担がかかり、目が充血し、鼻血を流す
だが、凄まじい集中力をありったけの力を使用し、フェアリスに封印の印を付ける
「あー、そういう感じね。
あくまで僕を殺さず封印して治めようというわけか。
それが復讐を否定する君のやり方ってことか」
封印が完成しようとしているにも関わらず
フェアリスは余裕の表情を崩さない
「僕の能力を知って先読みし、呪術の使用を封じた手は上手いけど
針の消費は使い捨ての攻撃や防御だけが選択じゃないって、知ってた?」
フェアリスの体の中から、どす黒い闇が溢れ、針を封じていた泥が消滅していく
「なっ」
見たことのない闇の力に、イリヤのインドリームの力は押し返され、形勢逆転する
「この針はね、消費数も消費の仕方も僕が決めることが出来るんだ。
だから、こうやって自爆させることも出来る。」
フェアリは両手を握り、拳を作るとそのまま胸の前で衝突させる
それと同時に、背後に浮かんでいた針は砕け散り、フェアリルの魂の一部を吸い取って天空に巨大な黒い蕾が出現する
「終わりだね、イリヤ・マルク。
今のお前だと残りの体力は最大生命力の30%ってところだ。
そんな状態だと、どう足掻いても僕の爆発術式はカバーできない。
霊光石にも、一族にも認められずここで消えろ」

冷たい声と憎しみに満ちた目で話すフェアリス
その上部に浮かんだ蕾は開花し、同時にイリヤの体は爆発し、四肢が捥がれ、肉片が転がる

かすれていく視界の中、結界が解除され、ヒルトとライセイが絶望した表情でこちらに向かっていくのが見せる
だが、今のイリヤには何も出来なかった
痛み、苦痛、無念、あらゆる感情が渦巻く中、滑り込みながら膝をつき、ヒルトがイリヤを抱えて大声で叫んでいる
「イリヤ!
死ぬな!」
自身のマントを引き裂き、イリヤの出血を止めるために傷口を抑えるが、なんの意味もないことを悟り、インドリームの力を分けて延命できないか試そうとする
だが、それよりも早くイリヤの体が砂のように脆く、崩れていく
「ごめんね
土族は・・・カイは・・魔族化しないから・・安心して」
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