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IN DREAM2

第14章 土族


イリヤとヒルト、ライセイ、カイは傀儡技術を適用した人たちの本当の肉体を眠らせている場所から更に奥へたどり着いていた

地下深くに広がっていた空間は魔法で異世界のような構成になっている
空は青く、白い雲が太陽光を浴びながら光り、
生い茂った草原が広がっている
所々に大樹がそびえ立ち、中から小さな光が漏れている

イリヤは近くの大樹の中に入り、1メートル程大きさの水晶の前に立ち、水晶に手を置く
「イリヤ?」
心配になったヒルトはイリヤに声をかける
「イリヤの過去、観えた?」
暗い声で話すイリヤに、ヒルトとライセイは目を合わせながらうなずく
「ジェイクを通して・・いや、インドリームの力を通して観えたぜ。
霊光石の正体もな。」
「そうだよねライセイ・・。
イリヤ、思うんだけど、あの時後先のこと考えずに動いたから・・族長になる覚悟がないのにインドリームなんかしたから
カイや土族みんなに迷惑かけちゃったよね」

「姉さん・・俺は・・」
カイは何か言おうとしたが、あえて口を紡ぐ
それはカイの前に立ったヒルトを見て、イリヤにかける相応しい言葉を持っているのは自分ではないと察知したからだ
「イリヤ、俺は傀儡技術を適用したことは間違いじゃないと思う。」
「・・・・」
「あの時イリヤが傀儡技術の第一被検体になってなければ
もっと多くの死者が出てたし、もしそうなっていれば
今幸せに過ごしてた人達の未来は無かったんだ」
「俺もヒルトと同意見だな
イリヤがした事は間違いなかっただろ。
霊光石や土族がなんて言おうが、イリヤが傀儡技術を広めた事で救われた人がいるなら
もっと誇るべきだ・・そうだろ、カイさん?」

ライセイはカイに目線を写し、カイは頷く
「正直、昔の俺は姉さんを誤解してた恨んでたところはある。
けど、今は絡んでない・・だって姉さんは俺達を助けにきてくれたじゃないか!
魔族化する危険を顧みず、ここまでしてくれたし
俺が知らない暮らした時期もあったんだろうって、今になって冷静に考えれる。」
「カイ・・・
ありが」

ドンっと鈍い音がイリヤの背後から聞こえ、体の中央から
カイの胸部にかけて巨大な水晶の拳が貫かれる

「!?」
「あ゛っ」
「うっ」

イリヤとカイは同時に吐血し、ライセイとヒルトは血の気が引いた表情に切り替わり、空気が凍りつく
「イリヤ!」



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