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IN DREAM2

第14章 土族


「私は、イリヤ・マルクがこの先も世界を救うために役立つ人材とは思えない。
故に、フェアリスの思い通りに動くことになったとしても
他の者を土を司るインドリームとして選別するべきだと判断した。」
「なるほど、それが霊光石の意志か。
だからお前は俺達と会ってからイリヤだけ本物のカイから引き離し、フェアリスの元に連れて行ったのか」
「如何にも。
私の意志は土族の意志でもある。
もはや土族はイリヤ・マルクを頼ってはいないし、信じてもいない。」

「霊光石の意志が土族の意志だって?」
霊光石の言葉にジェイクとクライヴは動きを止める

「まさか、そんな事も知らず我々を探し求めて旅をしているのか?
前任者が霊光石を宿し、その者から力を奪い、継承したお前ならもう出会うことはないだろうが、教えてやる。
霊光石とは、各部族の意志の集結体だ!」

霊光石はゴーレムに全ての魔力を注いでいく
その魔力の量にゴーレムが耐え切れず震えだす
魔力操作をほんの少しでも誤れば爆発するほど膨張し、ジェイクとクライヴは全身にありったけの魔力を纏う
「クライヴ、霊光石は次の一撃で決めるつもりだぞ」
「見ればわかる!
ここで食い止めなければ・・・被害は尋常じゃないだろうな」

ジェイクの炎とクライヴの闇が最大出力になった途端
霊光石は魔力の塊でできた波動砲を一気に出力する
「っ!?」
ジェイクとクライヴは正面から受け止める
二人合わせた魔力量が霊光石一人の出力魔力と互角。
だが、量では叶わない。
次第にジェイクの炎が弱まっていく
「くっ・・そ!」
ジェイクは自信の無力さに悲嘆しかけた時、クライヴはニヤリと笑う
「この量なら、俺が削ればいけるぞ、ジェイク」
「はぁ?!」
クライヴは自らの右手を引きちぎり、空中に投げ飛ばす

「我が身に顕現せよ、アーク」

空中を舞っていた腕は異様な音を立て、変形し、
無数の魔眼を皮膚から剥き出しに見せる
その瞳は霊光石をまっすぐ見つめ、魔術の紋章を浮かび上がらせる
その途端、ゴーレムから出る波動砲の威力は弱まり
クライヴもう片手ではじき返す
「今だ!
行け、ジェイク!」

クライヴの掛け声と同時にジェイクは一気に走り出し
ゴーレムの中にインドリームの力の全てを注ぎ込む
「そこだ!」
ジェイクは全ての汚染を払い、動力源に届く
ガラスが割れたような音が響き、同時にゴーレムが破壊された
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