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IN DREAM2

第14章 土族


霊光石が見せたイリヤの過去の光景はジェイクを通し、インドリーム全員に共鳴して見えていた
ジェイクの意志とは関係なく、その力は発動する
特に霊光石を持つ者と接触すると発動する確率は高くなる

咄嗟にジェイクは霊光石から距離を取り、疑うような表情になる
長い夢を見ていたような感覚になるが、実際現実の世界では数秒しか進んでいない
それはクライヴの反応を見ればすぐに理解できた
「おい、しっかりしろ」
クライヴはジェイクの肩に手を置く
霊光石から受けた傷が完全に癒えていないため
両手から血が滲んでいる
「あ、あぁ!
それよりクライヴの傷のほうが・・」
「これくらい、あと数分すれば完治する。
・・お前、霊光石に何をされていた?」
「霊光石はイリヤをインドリームとして認めてない。
だから俺に過去を見せることで理解させようとしたんだろ
けどーーーー」

ジェイルは両手に炎を溜めて握りこぶしをつくる
「余計にイリヤの苦痛がわかったし、尚沢インドリームに相応しいと思ったぜ!
少なくとも、俺よりはるかに相応しいだろ!」
勢いよく霊光石に向かって突進し、炎の拳をゴーレムに当てていく
「なぜ・・なぜ相応しいと言える!?
あの娘は傀儡技術を勝手に適用し、族長になることも躊躇したことで弟は二度も家族を失った!
弟を守るためならば族長になり、一族全員で弟を守ればよかったのだ!
たとえ族長にならず、インドリームとして過ごすなら最後までカイの傍にいればフェアリスが攻めて来たとき、彼の奥さんと子供を守れたはずだ!」

霊光石はゴーレムに魔力を注いでいき、その巨体は制御不能の動きを見せる

「フェアリスが攻めて来ただって?!」
ジェイクは攻撃を防ぎながら聞き返す
「そうだ。
一月程前、元族長のフェアリスはカイの家に突然現れ、目の前で妻と子供を殺し、彼の魂を抜き取り、闇に堕としたのだ。
魂は魔族化し、殻となった肉体に私は入れられた」
霊光石はカイが持っていた家宝の宝石にずっと宿っており、全て見ていたため、事の全容を話せたのだ
ずっとカイの傍で彼の苦悩を見ていたため、その苦痛も理解できた
イリヤよりカイの肩を持つのはそういう背景があったのだ

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