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IN DREAM2

第14章 土族


吐血しながら技術を発動させ、イリヤの魂は義体と結ばれていく
意識は義体へすぐに移り、新しい肉体の瞳はすぐに世界を映す
大人の体から少女の体で変わったことで
見せる世界も少し変わる
目の前に虚ろになった本当の肉体があり
イリヤは傀儡技術が成功したと確信する

インドリームの力も使えることを確認したとき、複数の足音が近づいてくる
「姉さん、無事か?!」

「カイ!」

武装した兵士を連れてきたカイはイリヤの姿を見せ目を丸くする
「その姿・・・傀儡技術を使ったのか?!」
「うん。
説明は後で!
他の人達もここに連れてこなくちゃいけない!
闇族が攻めてーーーー」
「落ち着いてくれ、姉さん!
闇族はいったん後退した!
この領内に残ってはいない・・
残ってるのは汚染された同族と負傷者だけだ」
「本当?!
じゃあまずはイリヤも戦う!
傀儡技術を適用させても、この力は使える事は確認してるからね」
イリヤが立ち上がり、岩石を両手に纏わせ、走っていく
「おい!?」
「カイ達も、生きてる人たちを研究室に集めて!
傀儡技術の適用は、イリヤがするから!」

走り去っていくイリヤに、カイはため息をつき、隊員達に一般人の捜索命令を出す

闇に汚染された人を含め、多くの土族が傀儡技術を適用し、延命処置を施された。
それでも、一つの都市の崩壊と人口の三割が闇に堕ち、更には族長のフェアリスは行方不明となったことで
土族は統制が効かなくなる
代理で族長を勤めた巨人達は、死体に残された傷口の魔力や手口からフェアリスが途中で反逆したと結論付け、彼を反逆者と認定。
そして無断で傀儡技術を適用させたイリヤも反逆者とされ、イリヤの両親は土族領内から追放され、砂漠へ放り出され
カイは兵士としての職務も失う。

この光景を見ていた霊光石はずっと思っていたのだ

〝イリヤ・マルクは本当にインドリームとして存在してよいのか〟と。
弟や一族を思って自らが試験体となったことで
傀儡技術は成功したといえるが
その後に起きた出来事を考えると、最善の選択だったのかわからなかったのだ
そう、土族の誰もが思うことでイリヤの居場所はなくなり旅にでることを決意する。
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