第5章 水と火
水族
それは世界の生命の源といわれる水のエレメンツを持ち、主に水の中で住まう人魚や海王の一族である
陸で生活する者はおらず、水中に領土をもつことで多種族との交戦は少なく、比較的平和に過ごせていた
水族は独自の文明を築き、人に化け、地上で多種族と貿易も行った
化けているとはいえ透き通った肌は老若男女問わず魅了するほど。
だが触れるとすぐに正体がばれてしまうのが欠点だ
それは確実にウロコの仇触りが残っている
これにより、水族を狙う種族は肌で区別し、地上にあがってきた水族を密漁し、奴隷売買に流した
行方不明者が後を絶たなかったが、海王は水族は繁殖力が良いという理由に地上での貿易をやめず、ついに暗黒戦争に巻き込まれていった
闇族の一方的な汚染と侵略と虐殺に為す術なく、住処を失い、深海へと追い込まれていた
ついには海王は深海の領域に何者も入れぬよう、結界を張り、地上や浅い水域に残された同族を見捨て、暗黒戦争から一族を切り離したのだった
暗黒戦争が終結し、地上に取り残された水族の生き残りの少女は、やがてインドリームの力を覚醒させる
少女は世界に二度と闇に包まれぬよう
そしてかつて地上へ積極的に交流をしていた一族に戻ってきてほしいため
闇の敵と立ち向かうことを決意した-------。