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IN DREAM2

第14章 土族


「候補者はフェアリス・アラモード様
土を司るインドリームに加え、兵士の一人であるカイ・マルクとその両親も適合者だと新たに判明した」
所長の話に、全員が口を開け響めく
「マルク家に何か特別な関係があるのかもしれない。
イリヤ、何か知っているか?」
所長は手に汗が滲みながら俯くイリヤに話を振る
「い、いえ!
何も知りません・・
イリヤこそ、どうして家族が適合者なのか知りたいくらいです。
所長、イリヤも候補者ですか?」
インドリームということは敢えて伏せておき
イリヤは土族として候補者に入るのか探る
「いや、君は適応外と反応が出た。
不思議だ・・君も血縁者なら適応できるはずなのだが?」
「そう・・ですよね」

「所長!
今から族長へ報告し、マルク家に召集令状を送りましょう。
国家の存続が関わる案件です。
召集令状なら、人個人の意見より国からの命令が優先されます」
若い研究者は微塵も悪気なく話す
所長が黙り込む中、イリヤは必死に考え込んでいた
(どうしよう・・どうしよう?!
ここでイリヤがインドリームになったと言えば
イリヤも動力源にされて一生ゴーレムの中で過ごす事になる!
でもこのままだと弟かお父さん、お母さんが犠牲になる!
族長が召集令状だしたら終わりだっ!
それにマルク家が適応者なのに、イリヤは適応外ってどういうこと?
インドリームとして、既に適応者だから?)

「候補者については、私から族長へ報告しておこう。
召集令状を出すかはあくまで族長からの提案とし、
我々から提案することではない。」
所長は書類をまとめながら会議を締め括ろうとしていた
他の研究員は反論したがっていたが
所長の決定を覆すことが出来ないと分かり、一同賛同するしかなく会議を終えた

会議を終え、イリヤは研究室に戻ろうと部屋を出た時
聞き覚えのある声に呼び止められる
「イリヤ・マルク」
自分の名前を呼ぶ声の正体は、柱に隠れてフードを被っているフェアリス・アラモードだった
「族長?!」
「しーっ!
僕がここにいる事は秘密にしてくれよ」
咄嗟にイリヤは自分の口を塞ぎ、フェアリスの隣に立ち、柱に隠れる
「今日の会議は長かったね。
研究の資金について議論していたのかい?」
「それもあります
あとは・・」
表情を重くするイリヤに、フェアリスは終始落ち着いている
「まぁ君たらが議論していた内容は大方検討がつくよ」
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