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IN DREAM2

第14章 土族


イリヤは数日前、別のチームの資料作成を手伝っている時に
偶々挟まっていたメモを見つけた
そのメモには闇族が汚染した地域の拡大範囲が書かれており、その一部には土族の眷属が住む集落も含まれていた
「あれが本当なら、闇族は想像より勢力を増やしてて
土族の軍は秘密裏に対処しようとしているんだ・・
そんな危険な任務にカイを行かせる訳いかないんだから!」
シャワー室から出て直ぐに身支度を済ませ、白衣を纏って傀儡技術室へ向かう

一面草原が広がる牧草地に煉瓦で造られたドーム型の建物があり
扉は地下へ繋がる入り口がある
その下には複雑に出来上がった回路を辿って技術室へ辿り着けるため、新人の頃はよく迷子になっては上司に叱られる日々だった事を思い出す
「あの時は一番しんどかったなぁ
今思えばもう10年経つのかー
イリヤもおばちゃんになったなー」
時の流れが早く感じるのは、それ程研究に没頭しているせいだろう
そう思いながら扉を開けて地下への階段に足を踏み入れた瞬間
景色は変わっていた

石畳の階段ではなく、生い茂った樹々の上に立っていた
「あれ?」
見慣れない巨木の周りは光を纏って鳥が飛び、ここがイリヤの知る土族の領域でなく、全く別の場所へ転移させられたとすぐに理解する
警戒心が鞄を持つ手に現れ、片手で持っていた鞄を両手で持ち、胸まだ持ち上げて抱えるようにする

「警戒しなくても良い。
私は敵ではない。」
「!」
空間に響くような低い声はすぐ目の前からだった
イリヤが立っていた巨木と同じ木を背中に生やした超大型の亀が喋っている
「私は土族の守護神だ。
イリヤ・マルク、貴方に知らせるべきことがある。」
「えっ?!
しゅ、守護神様?!
どうしてそんな方が直接・・それに知らせること?」
「喜びなさい。
貴方は世界の意志により、インドリームに選ばれたのです。
今この時より、土を司る力が宿ります。
その力は大地の恩恵を受け、真の夢を持つ者こそ相応しい力。」
「待ってください!
イリヤにそんな資格があるとは思えません!」
「では拒絶しますか?
それもいいでしょう。
貴方にはその資格がある。
ですが確認しておきましょう・・
この力が無く、どうやって弟を守るのですか?」
「!」

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