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IN DREAM2

第14章 土族


その頃、イリヤはカイに連れられ、土族の地下深くに安置されている安置所へたどり着いていた
木製の墓に魔法の文字で中に入っている人物の名前が刻まれたそれは闇に汚染され、傀儡技術を適用させて肉体と魂を切り離した者達。
その中に、イリヤの本当の肉体もあった
そしてその奥には、ほこりが被った巨大なゴーレムが隠されてる

「・・なぜ、人柱になるのはフェアリス様だったんだ?」
「え?」
カイはゴーレムを見ながら問う
「このゴーレムは、暗黒戦争が始まる前に技術者達が作った試作品であり
フェアリス様のように特殊な技術力を持つ存在の魂を融合させないと動かせない
だが、あの方だけではなくインドリームとして選ばれた姉さんであれば使いこなせる事も出来たはずだ。
なのに、なぜ?」
「そ、それは・・・」

「死ぬのが怖かった、そうだよね?
イリヤ・マルク」
「?!」
言葉を詰まられるイリヤの背後に、突如姿を現したフェアリス・アラモードに
イリヤは武器を巨大なハンマーを構える
「まぁ待ちなよ
戦う前に少し昔話しようよ」
手のひらを前後に動かし、気楽に話すアラモードにイリヤは更に警戒する
「貴方が裏で操ってたのね!?
土族が魔族化したのも、病を撒いたのも全部貴方が?!」
「はーいはい、その通りだよ」
イリヤが責め立てる前にアラモードはあっさり関与を認める
「僕が受けた裏切りに比べたら
まだまだ緩いよ
君も知らないわけないよね?
あいつらが何をしたのか。」
「知ってるよ。」
「だよねー
そして君も加担してた。
あのゴーレムに乗れるのは僕だけが適応者じゃない
君や君の弟も適応者だったし、他にも複数候補者はいたのに
僕以外の候補者を先に領地から逃したんだ。
まぁ、君に対しての恨みはそこまでデカくはないさ
大切な者はもう奪ったからね」
アラモードは指を鳴らすと隣で立っていたカイの瞳から光が消え、操り人形のようにぎこちない動きをして
ゴーレムへ向かっていく
「カイ?!」
「あれはもうカイじゃない
魂を無くした肉体に、君の霊光石を埋め込む事で動力源を得た僕のゴーレムだよ」
「?!」
「今頃魂は闇に呑まれて魔族に成り果てて
ヒルト達と塔の中で戦ってるんじゃないかな?」
「あああ!」
震えるイリヤ
ゴーレムの動力口へ入っていくカイの肉体
止めようとしたいがイリヤの足に力が入らず
手を伸ばすも、既に手遅れだった
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