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IN DREAM2

第14章 土族


「君はこの手紙を龍族の大使館へ届けてほしい。
戻るまで少しだけ休むよ
それなら文句ないだろう?」
「・・かしこまりました、アラモード様
では、行ってまいります」
ゴーレムは全身をジェット機のよう変形させ、土族の城から飛び立っていった
その姿が完全に見えなくなるまでアラモードは見送り、ため息をつき部屋を出た

肌寒い冬の中、冷たい風が廊下を通り過ぎる
白い息を吐きながら、アラモードは突き当りの厳重な部屋を開ける
そこには異空間につながるゲートが開かれており、その先を過ぎていくと一面草原に囲まれた別の場所へたどり着く
先までの寒い季節を忘れるほど暖かい春の風がアラモードを包む
青い小鳥と、白い小鳥が愛想よく寄ってくる
「やぁ、久しぶりだね
最近会えてなかったから心配してくれたのかい?」
クスクスと笑いながら小鳥に話かけ、アラモードまっすぐ歩いていき、小さな家が見えてくる
その扉の前には杖をついた病弱な男性が立っていた
「お父さん!」
少年のように無邪気に駆け寄るアラモードに、男性は両手を広げ、抱き寄せる
「おかえり、私のかわいい息子よ
元気そうでよかった」
「へへっ、僕はいつでも元気だよ!
それよりお父さんは大丈夫なの?
熱は?」
「私は大丈夫だ。
外の世界と遮断して天族からの治療に専念できているおかげだ
少しの間なら歩いていられるんだ」
「本当?!
よかったぁ・・・」
肩の力が抜け、アラモードはここ一番の安堵の表情になる
「アラモード、土族長となったのは私の事を案じてだろうが決して無理はしないでほしい。
この場所を提供されているのが土族の技術部門のおかげで
その引き換えに君が族長となって全ての責任を負うことに
私は心配で仕方がないのだ。
休憩はしっかりとれているのか?
ご飯は3食、栄養を考えた献立でとっているか?
それと」

「あまり質問責めされるのも、疲れると思いますよ?」
「!」

家の奥から出てきたのはアラモードと一番交友がある天族であり、父親の持病の治療を任せている専門医のアルトリアだった
「アルトリアさん・・!
いつもお父さんがお世話になってます」
頭を下げるアラモードに、アルトリアはクスッと笑い、腰を下す
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