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IN DREAM2

第14章 土族


突然、ドッと重い足音が空間に広がる
よだれを垂らしながら現れたのは
先まで天井で拘束されていた魔族だった
「あの魔族が動けるようになったってことは・・」
「カイさんが魔族から人に戻ったことで解錠された、つまりあの鎖はカイさんの魔族としての力だったんだな」
ヒルトとライセイは息を合わせて同時に魔族へ攻撃を加え
激しい戦闘が繰り広げられる

瞬く間に戦闘が広げられる前でカイは言葉を失い、黙って眺めているとクライヴから声をかける
「あの魔族以外、闇の魔力が感じられないし、見当たりもしないところから考察すると
魔族となったあんたが殺し尽くしたんだろうな。
俺たちが入ってきた場所に奴は拘束されていたが、その周りは肉片が飛び散っていた」
「俺が・・殺したのか・・
ハハッ、同族殺しの罪を着せられてもおかしくないな」
失笑するカイに、クライヴは何も言わず黙り、少し沈黙が続いてから話し続ける
「魔族になった時、体を返せと言っていたが
魔族になる前、何をされたか覚えていないか?」
「魔族になる前・・・・
たしか、妻と子供の墓を建て、家の中で一人でいたとき
誰かが突然部屋の中に現れた
そう、だ・・そうだ少年だった!
茶髪に褐色の肌で呪符を持っていた!
あの姿、忘れるはずがないのにどうして言われるまで思い出せなかったんだ俺は・・!」
「落ち着け。
その少年は何者なんだ?」
「わずか10歳にして、土族で最強の呪術師として名を響かせ、ゴーレムの自立思考回路を発明し、鍼師として医療界にも力を有していた元第一族長、フェアリス・アラモードさんだ!」

フェアリス・アラモード
その名はクライヴもよく知っていた
闇の神を復活させてアルトルアの仲間
クライヴは心臓の中で疼く何かを感じ、とっさに胸を押さえる
(今の感覚は?
いや、それより―――)
「アラモードに魔族にされたのなら、闇の神も関係しているだろうな
土族に異変が起きたのも、奴が原因の可能生が高い。」
「そうか、やはり生きていたんだな」
「どういう意味だ?」
「あの人が人柱になった証拠がないから、俺は半信半疑だった。
そもそも、あの方はずっと生き続ける事に拘っていたから
人柱になるなんて考えられない」
「・・その話、詳しく聞かせてくれ」

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