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IN DREAM2

第14章 土族


「いや、俺は魔族になる前に放り込まれた。
魔族になるきっかけは恐らく妻と子供の死だが
その後は記憶が曖昧で思えているのは
兵士不足だったから退役兵として徴収され
魔族化した同族と戦っていた時と
この塔に魔族が溢れていたから、内側から俺が封印したんだ」
「内側から封印!
もう一人のカイも同じ事を言ってたぞ!」
「それ、俺も聞こえたよライセイ
あの時は塔の中で生存者がいて、今でも戦っているのか
外から結界を張ったのかと思ってたけど
そうじゃなかったんだな・・」
「物理的に開けなくしただけだ
きっと、俺が人として最後にできた貢献だろう。」

ライセイは周囲を見渡し、異様な空間について質問する
「この塔はどこもこんな感じなのか?
壁がどこにあるのか全然わからないし、広さも把握できねぇ」
「魔族を閉じ込めるために作った塔だから仕方ない
外からの見た目は塔だが、中身は一階建ての建物さ
特殊な技術で空間感覚を狂わせることで
闘争させにくくさせたのだ。
だが、もしものための裏口があるからそこを通れば大丈夫!
この金槌で・・・ってあれ?
ない?!」
カイは腰を触り、いつも持ち歩いている金槌がないことに気付く
「あれがないと裏口に入れない!」
「あー、その金槌ならもう一人のカイが持ってたぞ?」
「くそっ!
何者なんだもう一人のカイって男は!
俺だけが使える金槌のはずなのに!」

拳を床に当て、怒りをあらわにするカイ
床に僅かな日々が入り、クライヴは黙ってその傷を見つめる

「あの金槌は俺の鍛冶師として最高傑作品なんだ!
それに、あの石もあるのにっ!」
「石?」
「父から譲られた家宝だ。
姉さんとここに来たのなら聞いていると思うが
俺の両親は追放される直前マルク家に伝わる宝石を父から譲り受けたんだ。
価値はない宝石だが、マルク家に伝わるものだから大事にするようにと言われててな・・だから肌身離さず持ち歩いていた金槌の中に埋め込んでいたのにっ!」

「そんな石、金槌にあったか?」
ライセイは小声でヒルトに聞くか、記憶にないため両手を挙げて首をかしげる
「見える位置に埋め込んだのか、見えない位置なのかわからないし、それに気になるのは
カイさんしか使えない物を、もう一人のカイさんは仕えてるのも気になる。
外のカイさんが敵なのか、味方なのかも謎だ」
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