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IN DREAM2

第14章 土族


「ここが、魔族達を閉じ込めている塔だ」

毒の霧は晴れ、一際目立つ青紫色に輝く水晶の塔が現れる
周囲は静まりかえり、一切の魔力が感じられない異様な場所に
カイ以外の全員が身構える
「本当にここに魔族がいるのかよ?」
疑うライセイに、カイは動じず答える
「あの中に入ればわかるさ
魔族化した元土族が放り込まれている。
中で何が起きているか、入ったことがない俺にはわからないが
数百体はいるはずだ」
カイは地図を塔の見取り図を広げ、正門に指を指す
「今俺たちがいる場所はここ、塔の正門前だが
ここは魔族を放り込む専用で使われていたが、少し前に封印してから開かないようになった」
「封印?」
「軍からの報告だと一部の魔族が力を付け、正門を破壊しようとしたため、内側から封印をかけたらしい。
だからこの中に入るには俺の金槌を使う」
カイは金槌を取り出す
「おい待ってくれよ!
中からの出方を教えてから送ってくれよ?!」
「大丈夫、中の奴が教えてくれる」
「え、はぁ?!」
ライセイの質問に答えることなく、カイは地面に金槌を叩き付け、ヒルト、ライセイ、クライヴを塔の中へ送り込む
「ちょっ?!」
驚くイリヤはカイの腕をつかむ
「せめて説明だけでもしてあげたらいいじゃない!
それにどうしてイリヤは送らなかったの?!」
「姉さんとは、別で行きたい場所があるんだ」
「行きたい場所?」
「大丈夫、俺を信じてついてきてくれ」

カイは金槌をさらに地面に突きつけ、イリヤと別の場所へ移動した
その光景を空から見つめていたアラモードはニヤリと口元が裂けるように笑い、姿を消す



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