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IN DREAM2

第14章 土族


「息子のルイは輝く物が何でも好きだった
俺が鍛冶師の仕事上、廃棄物になったガラスが出てくるから
仕事場をよく覗きに来ては目を輝かして見てたよ。
だからガラス玉を作ってあげると、いつも喜んでくれてな。
妻のキーナは子供の世話をしながら、農家として土地を耕していた。
俺が兵士として働けなくなって、家族がバラバラになった時、一番の心の支えだった・・。
彼女の夢は、この土地に黄金の絨毯を広げることだとよく言っていてね
こんな痩せて汚染された土地だと敵わないが、いつか必ず、俺が叶えようと思う」
「黄金の絨毯、麦畑を広げること、か。
素敵な夢だと思うな」
ヒルトはそう言って手を合わし、目を瞑って黙祷し
ライセイも続いて黙祷する
イリヤは土の中から鉱物だけを抜き取り、小さな花形のブローチとガラス玉を作り、カイが置いた墓石の隣に並べる
そして手を合わせ、黙祷して涙を流す
「カイを助けてくれて、ありがとうございます。」
小さく呟くイリヤを見つめ、カイは何も言わず立ち上がりまたマスクを付ける
「ここに来れてよかった。
埋葬してから忙しくて墓参りできてなかったからな
さぁ、目標の場所までもう少しだ」
「うん」

イリヤもマスクを付けようとしている時ヒルトが声をかける
「カイさんに信頼してもらるように、一緒に頑張ろうイリヤ」
「ヒルト・・」
「あの人も、土族もきっとイリヤと俺たちなら救えるよ
カイさんとすぐに信頼されなくても急がなくていい。
時間はあるんだ、ゆっくり進もう」
「うん、ありがとう」

ヒルトに元気づけられ、イリヤはマスクをかぶり、カイの後を追うように歩く
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