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IN DREAM2

第14章 土族


毒の霧の中を歩いて行く最中でカイはヒルトに視線を送る

「インドリームの力は、魔族になった者の魂を救うと聞くが本当なのか?」
「はい。
暗黒戦争の影響を受けた魔族なら、俺たちが倒すことで闇に汚染された魂は浄化され天界へ迎えられます。
ですが最近旅をしてる中で例外が出てきました」
「例外?」
「闇の神の力を直接不要された者は
ただの魔族じゃなく、更に強力な力を得て俺たちの力では浄化できず倒された魔族は灰になって消えていくんです」

ヒルトはアドラの最後を思い浮かべ、拳を握りしめる
「そうならない為にも、俺たちはもっと強くなって多くの人を救いたいと思っています」
「なぜ、そこまで他者を救おうとする?」
「え?」
「君は見ず知らずの人をなぜ、そこまで救う事に拘る?
俺からすれば他人に干渉していいことはないし、
救ったところで、また闇に墜ちてしまうかもしれないだろ
無駄なあがきだと思わないのか?」
カイの問いにヒルトは一切の迷いなく答える
「俺は、思いません」
「ほぅ・・。」
「助けた人がいつ、どこで道を踏み外してしまうなんて俺にはわからないですけど
それでも何もしないのは違います。
身近な人からでも救えれば、その人も周りの人にも平和になると思いませんか?
俺は二度と暗黒戦争が起きてほしくないんです
戦争は、誰も救われません。」
「・・・」

カイは暫く沈黙し、頷く
「インドリームのリーダーとあって、考える事が大人だな。
その夢は大事にするべきだと思う。」
「ありがとうございます。」
「それと、俺には敬語もさん付けも必要ない
気軽に話してくれて構わないさ」
わずかに微笑むカイ
ヒルトも少し微笑み、頷く

「あ、そうだ
少し寄り道させてくれないか
行きたい場所があるんだ」
「わかりました」

霧が晴れ、枯れた森の中を抜けていくとカイがマスクを脱ぎ
目の前の墓碑に手を合わせ祈り始める
石にはルイ・マルクとキーナ・マルクと名前が刻まれていた
「このお墓って・・」
「俺の妻と、子供の墓だ」
「!」
「土族で異変が起きた時、最初に症状がでたのが俺の子供だったんだ。
その次に妻も患い、魔族になる前に死んだよ」
カイはポケットに入れていた小さなガラス玉を墓石の前に置き、腰をかがめる
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