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IN DREAM2

第4章 新たな仲間


飢えた魔獣を倒すため、ヒルトとクライヴの口論は止んだが、魔獣を仕留めることが出来ず、見逃してしまった
後々旅を続ける中、人々の噂から魔獣の正体は闇落ちの少年ティファールである可能性が浮上してきた

ライセイとイリヤが魔獣を求めた時、何故ヒルトは先に正体を話さなかったのか、クライヴには理解できなかったが
インドリームの問題に部外者である自分が口を挟む必要はないと感じたのだ。


今でも魔獣とインドリームが戦っている
だが自分の出る幕ではない
自分はあくまで闇落ちーーーー
インドリームではない
共に旅を続け、協力するのは自分を救ってくれたヒルトへ借りを返すためと、己が何者なのか確かめるため。

時折目の前に現れる赤い蝶
街の中であろうと、森の中であろうと、洞窟でも現れる
何か害を及ぼすわけはなく、唯クライヴの目の前を飛んでいるだけ
気になるのはヒルトやユリエフには見えていないということ
そして、赤い蝶が飛んでいる時は闇が疼く

ドクンーーーー

「っ・・・」

心臓の鼓動が強く感じる

「クソっ・・」

蝶を見続けると決まって心臓が痛み、クライヴは苛立つ
目の前は光に向かう者達と
闇の中に浸っている己の歴然の差を。
秤にかける存在ではない
世界を救う者達と、闇に染まった己

矛盾している行動と思考
かすかに感じる劣等感

心の中で葛藤するクライヴに、どこからかこれが聞こえた



『クライヴーーーーー』
「?!」
『感じるはずだ・・・己が何者であり、使命があるはずだと』
「誰だ?!」
『私は・・・お前を導く者』
「俺を導く?」

頭の中で響く声は、クライヴに思うのしかかるようであり
会話を続けるだけで闇の力が疼いていく
直感で理解した
この声が何者であろうと、危険であると。

魔獣と戦うヒルトやユリエフをみる限り、声は自分にしか聞こえていない

「俺の中から出て行け・・
お前に導かれるほど俺は弱くない」
『フッ』

クライヴが放つ言葉に声は馬鹿にするように鼻で笑う
『近々お前と会うときがくるだろう
その日までせいぜい酔い浸っていろ
私と再会したとき、お前は目覚める-----』

声が消えるのと同時にクライヴの全身に寒気が走る
極寒の地で突風が通り抜けるほどの冷気
樹海の中であるが、確かに身の毛が立つほどの恐怖感が心の奥底から感じたのだった

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