• テキストサイズ

IN DREAM2

第14章 土族


「ここは魔力不動症を患った患者を集めているのよ。
あの水は水族からの支援でいただいたものでね
魔力の乱れを落ち着かせる効果がある特殊な水なの。」
「水族が?
でもあの人たちは外界との交流を遮断してるはずよ」

アランの問いにレディは眼鏡を取り、ついていた汚れをふきながらアランを見る
「私もダメもとでお願いしたのよ。
そうしたら受け入れてくれたわ
誰が責任者とか特定しないことを条件にね
インドリームの一人が一族のために戦っている事に感銘を受け、動いてくれたの」
アランは半場あきらめていた夢が一つ実現した
他種族との交流を絶ち、深海で潜っているだけではなく
新たに一歩踏み出し協力することで、平和な関係が戻ろうとしている
「よかった・・・」
アランのホッとした表情にレディは肩に手を置き「ありがとう」と小さく呟き、患者のほうへ進んでいく

「天族のユリエフさん、この方を診てもらえますか?」
「はい!」
ユリエフは虚ろな表情の親子の前に膝をつく
「魔力不動症は魔力の流れがうまく動かない事で
意識障害等発生させてるの。
天族の治療で意識だけでも回復できないかな?」
「それは・・やってみないと何とも言えないです
少し、失礼しますよ」
ユリエフは両手に光を収束させ、治療術を施していく
仰向けで空を見ていた母親の瞳に光が戻っていき
ゆっくりユリエフとレディを見る
「あ・・・り・・・がとう・・
息子も・・・」
ゆっくり口を動かし、感謝しようと震えた手を上げようとする
「今は動かないでください!
大丈夫、息子さんも回復させます」
ユリエフはすぐに横で寝かされていた少年にも光を当てて
母親と同時に治療していく
その様子を見ていた他の患者も治療を求め、ユリエフの元に歩き近づく
「順番があるから待って!」
レディが患者の前に立ちふさがり、列を作って並ばそうとしている中、アランが水の壁を作り出し、患者毎に隔離させていく
「レディさん、あたしも手伝うわよ
ユリエフ、治療は任せてもいいかしら?」
「はい、お願いします」
「あ、ありがとう!」

「レディ、君はここで患者の面倒を見てくれ
後は俺が案内しよう」
「カイさん、お願いします」
カイはヒルト達を連れて遺跡を後にしようと進む中
ヒルトはアランとユリエフの元に駆け寄る
「無理はしないでくれよ」
「大丈夫ですよ、ヒルト君」
「ありがとう、あんたもね」
/ 820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp