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IN DREAM2

第14章 土族


クライヴと別れ、遺跡の中へ入ったヒルト達は
鼻の奥に突き刺さる医療用の薬品臭に
眉間に皺が寄りそうになるが、こらえて進んでいく

到着した広間には病人がベットに横たわり、人がぎりぎり入れるほどしか間隔がなく
ほとんどの人が体の一部が欠損していた
どこからも痛みに耐える男達の声と
医薬品不足だと訴える医者と看護師の声が響き
器具をせっせと運ぶドワーフが走っている

迷彩柄の服を着た軍服の男たちは血が滲んだ包帯に手を当て、
小声で同じ事を繰り返し呟いている
「どうしてこうなった・・・」
目が虚な男はユリエフを見ると目を輝かせ
ひざまづいて懇願する
「助けてくれ!
あんた天族だろ!
俺の足を元に戻してくれ!」
「えっ、ちょっと待ってください」

ユリエフは焦りながら腰を下ろして制止するが
周囲から同じように寄ってくる男たちに困惑する
「おい、何だあんた達は!?」
白衣を着た小人が駆け足でこちらに来る
先に目に止まったのは先頭に立っていたカイだった
「カイさん!
インドリームを連れてこられるなら
事前に教えてくださいよ!」
見た目は幼女に等しい、小柄な体には合わないサイズの白衣の袖をパタパタと振り、困惑する医者に
カイは頭を撫でて子供のように扱う
「わるいわるい、上から連絡がいってると思って何も言わなかったんだ。
レディ、インドリームに現状を教えてくれ」
「まったくもぉ!」

深緑の天然パーマを掻きむしるように
髪をくしゃくしゃにしながら、レディは手招きして歩いていく
「インドリームの皆さん、こちらについて来てください!
私も忙しいので手短に説明します」
レディは真っ先に集中治療室で培養器に入った
兵士達を見せる
青い液体の中に浮き、誰もが体の半分が無くなっている
「彼らは魔族に体を喰われ、ほぼ死体となった者達だ
意識が戻れば傀儡技術で別の肉体に移動させれるが
本人の同意がなければ出来ないため、ここに入れている。
次、行くよ」
颯爽と歩いていく中、次に向かったのは日光が差し込む中庭だった
女性が持つ水瓶から水が勢いよく流れ、滝の下には湖が形成されている
その周辺には病にかかった土族が横たわり、看護師が看病していた
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