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IN DREAM2

第14章 土族


カイに連れられ、移動した先は地上だった
レンガ作りの家が並び、目のまえに片膝をついて
剣と盾を持つ石の巨人が守るようにいた
「この地には、光ある者のみ通せる。
その闇堕ちはここで待機だ。」
巨人型のゴーレムは緑色に光る瞳をゆっくる
クライヴへ向け、向けられた本人は無表情のまま
その場にあった壁にもたれかけ、ヒルト達に軽く手を振る
行ってこい、そういう意味だと皆が理解し
ヒルトだけは後ろめたい気持ちで進んでいく
先頭にいたカイはゴーレムにクライヴを見張るよう指示し
医療施設がある遺跡の奥へ進んでいく

ヒルト達の姿が見えなくなった頃
ゴーレムはクライヴに向かって重い体を正面に向ける
「これは規則だ。
気を悪くしてしまったのなら、申し訳ない。」
「いいや、この規則は正しいし
俺が待機する事は問題ない。
だが驚いたな・・
まさかゴーレムでも知能が備わっているとは。」
「私は元、人間。
つい最近まで土族の兵士だったのさ
本当の体は使い物にならなくなったので
傀儡技術で魂と繋ぎ、この施設の門番をするゴーレムになる事を選んだ」
「イリヤと同じあの技術か」
「彼女は試験で適用させてるから、我々とは少し違う。
勿論、仕組みは同じだが期限があるのさ」
「期限?」
「おや、知らないのかい?
彼女は自分が作った技術の第一試験体となることで、後の者達に欠点が残らないようにしたのさ。
族長達は別の試験体を用意するから、待つように指示していたが
彼女は受け入れず進めた
結果、成功はしたけど別の器に入れ替えなければ
持ちが悪く、劣化してしまう欠点が見つかったのだ」
「・・・そんな話、イリヤはしてなかったぞ」
「そのようだね
信じるかどうかは君次第だ
我々を救うために来てくれたのだから
これくらいの情報提供しか
私には出来ないがね?」
「因みに、イリヤの肉体はどれくらいしか保たない?」
「約、10年だったかな。
彼女がインドリームとして目覚めたのは
傀儡技術を適用と同時だったし、恐らく
残り7年もないかもしれないね」
クライヴは口を隠すように手を当て、少し考えてからゴーレムに視線を向ける
「この奥の施設や傀儡技術について、知っている事を教えてくれ」

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