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IN DREAM2

第14章 土族


「もし、黒幕が魔族ではなく、お前達土族であれば?」

クライヴの更なる問いに、その場の全員が凍りつく
何を根拠にそんな事が言えるのか
そう思う土族と
何故、あえてこの場でそんな事を聞くのか
疑問に思うインドリーム
それでも、イリヤだけは口を閉ざさず続けた
「土族第一条憲約を基に判断すれば
例え土族でも一族の存続を脅かす者は死罪、だよね」
「・・イリヤ・マルクの言う通り。
土族の掟に従うならそうなる。
だがそんな事を聞いてくると言うことは
根拠があるのだろうな?
闇堕ちのクライヴ・ベネディクト」

内政務官はハンマーを地面に大きく突き刺し、地震を起こしながら威圧的に問う

「あくまで可能性だ
事が起こってから確認するほど
戦場は悠長な場所じゃない」

「ふん、その意見は我も賛同だ
しかし、お前達が犯人を見つけてもその場で殺すな
必ず我々の元に連れて来い。
責任者として確認せず犯人を死罪として処理したなど
到底許されることではない!」

軍隊長は込み上げる怒りをなんとか鎮め
握りしめる拳から流れる血を止血するため
砂を手に被せる
土族特有の治療法であり、土を被せる事ですぐに止血され、傷口は塞がる
土族は大地と繋がる肉体を持つ故、成り立っている

「イヴァンさんや皆さんの要望通りに
俺たちはしたいと思います
その前に教えてください
どうして俺たちとアラン、ライセイを別の場所へ分けたのですか?」
「要注意人物は我々の前に起き
そうでない者は下がってもらったまでだ。
君と天族は問題ないが、リーダーと救援要請先の一族を別場所には置けない。
だから共に前に来てもらったのだ」
「ではクライヴとイリヤが要注意人物?」
「当たり前だ。
何故天族が闇堕ちを共にいれているのか知らないが
ただでさえ闇堕ちは危険なのに
それに加え、クライヴ・ベネディクトは特別な闇堕ちだと聞く。
そしてイリヤ・マルクは掟に背き、自らの利益を優先した叛逆者だ!
怪しい動きがあれば、我々が即座に対処しなければならない
例えインドリームと敵対してでもだ!」
サイモンは壁に埋まっているゴーレムに手を触れ
いつでも攻撃できる事を教えながら答える
ヒルトは穏便且つ、速やかに別の場所に移動する必要があると察し、姿勢良く正し、右手を胸に当て少し頭を下げる
「ご教授くださり、ありがとうございます。」
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