• テキストサイズ

IN DREAM2

第14章 土族


暗い坑道をカイはランタンの光だけで迷わず歩き、後ろに付いていくイリヤをちらっと見てため息をつく
「土族の魔族化は本当に突然だった
最初は一人の少年が高熱を出し、病院に運ばれた翌日
両親も高熱を出し、その家族全員が意識障害を起こしてから
魔力不動症状と診断された」
「魔力不動?」
「土族特融の病気だよ、ヒルト君
イリヤ達土族は大地の脈動を通じて物を作ったりするから
一度使用すると大地と魔力が繋がるの。
だから地震や大地に関係する自然現象が起きたり
急な変動があれば人体も影響されて
魔力がうまく流れず、呼吸困難や意識障害、高熱や嘔吐が起きて
そういうのを魔力不動症って言うんだ」
「その症状の治療法としては、魔力は回復するまで強制的に眠らせるしかない。
人によるが、早くて三日、長く一月かかる。
だが、今回もそれで済むと思っていた
患者が出始めたのも、闇の神が復活し、各地の魔族が活発化してから起きていたからな・・」

闇の神
アルトリア達の暗躍で復活を遂げた最悪の敵
圧倒的な力の差を見せつけられたあの光景を
インドリーム全員の脳裏によぎる
ヒルトは責任を感じるからこそ
拳に力を入れ、沈黙しかけた空気の中
最初に話す

「すみません、俺がもっと力をつけていれば・・・。」
「いいさ、当時のことは天族から情報共有されている
インドリームとして目覚めて間もない子供たちが
いきなり闇の神と渡り合えるとは思ってないさ
それより、俺たちの問題を解決してくれるなら
俺はなんだって協力する。」
「カイさん、土族が暴走したのは眠っている患者からですか?」
「いや、順番はバラバラだ。
眠っていた者もいれば、初期症状の高熱を出した直後
魔族化する者もいたな」
「その魔族化した人達、どうなっちゃったの?」

わかりきった事を聞いたからか
それとも元からイリヤに対していい感情を持っていなかったのか
カイは少し睨むようにイリヤを見て話す
「殺したよ。
全員復活できなくなるまで粉々にして、土に埋めた。」

冷たく言い放つカイに
イリヤは言葉を詰まらせ、小声で謝るしかできなかった
カイは立ち止まり、なんともない土の壁にハンマーを一回叩く
その直後、土の壁は鉄の扉に変わり、中から明細柄のベレー帽をかぶった軍人の男が扉を開ける
「カイ、無事だったか
・・・その後ろにいるのは?」


/ 820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp