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IN DREAM2

第14章 土族


肌は焦げたように黒く、黒い髪を前髪ごと後ろにたばね
迷彩柄のマントの隙間から見える体格は
戦士というより鍛冶師に近い。
上半身の服ははだけ、腰に巻いた分厚いベルトには
土族の紋章が刻まれている
男は深緑の瞳でまっすぐイリヤを見つめ、ため息をつく

「その見た目じゃわからなかったよ、姉さん」

本当に姉弟なのか
ヒルトを含める仲間は全員同じことを思ったが
衝撃が強く何も言葉にできなかった

「久しぶり
兵士は続けてたんだね
てっきり、鍛冶師になってると思ってたよ」
「誰かさんが追放されてから
兵士は続けれなくなった。
だから引退したよ・・・
鍛冶師として再スタートして家族も持っていた。
けど、こんなことが起きて・・・」

カイは両手拳を握り、腕を振るわせながら言葉を詰まらせる

「詳しく話して!
イリヤ達、そのために来たんだよ」
カイはイリヤの後ろにいるヒルトたちは視線を向ける

「姉さんが連れてきたってことは
そこの方々はインドリーム?」
「そう!
イリヤの仲間だよ
こっちはリーダーのヒルト
次にユリエフ、クライヴ、ライセイ、アラン」
「カイさん、はじめまして
天族から何が起きたのか聞きました。
突然魔族化したようですね」

ヒルトは一歩前にでてカイに話しかける

「ああ。
詳しい話は移動しながら伝える
こちらへ来てくれ。」

カイはポケットに入れていた小さな槌を取り出し
その場をたたくと石畳の階段が出来上がり
階段は地下へ続いていく
「隠し扉?」
「いま作った道だ
このハンマーは回数に限りがあるが、俺が行きたい場所へ通ずる入口を造れる」
「なんだ?
その都合のいい道具は」
疑うライセイにカイは背中を向け歩き出す
「不審に思うならついてこなくていい。」
冷たい感情をむき出したまま進むカイに
イリヤが謝罪しながら、追いかける

空気を読まない発言に
流石のヒルトも黙ってられなかった
「ライセイ、失礼だぞ」
「・・・悪かったよ」
「本人に直接謝ってください」
ユリエフの忠告にライセイは後ろ頭をかきながら
ため息をつけて地下道へ進んでいく
「第一印象、落ちたわね」
呆れたアランも歩き出し、クライヴは無口のままついていき
ヒルト、ユリエフは目を合わせて肩を落とし、進んで行った
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