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IN DREAM2

第14章 土族


遊牧都市・アルヘルン

土族が有する2番目に大きい都市であり
人口2000万人と密集しているが
土地の広さが80000㎡あるため、
人々が住む家と家の間には距離があり
移動手段は馬が主になる
必然的に遊牧民が形成され、この都市だけでも
一国が築ける規模の経済力を有していた。

だが、それはもう過去の話ーーー
突如発生した魔族化により
土族は混乱の渦が広がり
市民は瞬く間に犠牲となり、残されたのは荒廃した家と家畜のみ。

そんな都市から外れた森の中で
1人の男が息を殺して洞窟に身を潜めている
真っ暗な闇の中で、何処からか聴こえる魔物の唸り声に
全集中力を働かせ、腰のベルトから下げている
拳サイズのキューブに手を伸ばす
「はっ・・・はっ・・・」
わずかに吐く息は最低限の呼吸で止め
近づいてくる魔物が目前まで迫っていると分かった途端
悲鳴に近い声をあげ、キューブに籠る魔法を発動させようとした時
暗闇の中から突如光が生み出され、膨大な魔力と共に爆発が起き
男と魔物は吹き飛ばされる
「なっ?!」
男は頭を隠すように両手を頭の前にやり
目の前に現れた少年少女に目を見開く
そして洞窟の壁は崩れ落ち、外から入る日光を避けるように
魔物は姿を消して逃げていく

「けほっけほっ
埃っぽいわね」
「転移っていうから何処かと思ったら
・・なんだよここ」
アランとライセイは服についた土埃を払い除け、立ち上がる
「イリヤ、ここはどこなんだ?」
ヒルトが呆然と立つイリヤの顔を除くように話しかける
だが、イリヤは目の前にいる男を凝視し、その名を呼ぶ
「カイ?」
男は見知らぬ少女に名前を呼ばれ、身構える
「そっか、ごめんね
この姿は見た事ないよね
私は君のおねいちゃんのイリヤ・マルクだよ!」

突然の告白に、その場にいた全員が目を見開き、一瞬の沈黙の後に裏返った声で驚愕の表情になる
「はぁ?!」
「イリヤさんの弟さんといっても
その・・年齢が・・」
「イリヤ、わかるように説明しろ」

「皆、ちょっと待ってね!
・・君は土族第二都市警備隊一等兵のカイ・マルク。
姉は傀儡開発者のイリヤ・マルクであり、追放者の一族って呼ばれてるはず・・あってる?」
男は口元を黒い布で隠していたが
ゆっくり外し、素顔を見せる
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